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2017年12月27日 (水)

インタビュー記事 ⑤

続き:
―― 北朝鮮が再調査しても日本政府が期待するような情報が出てこないために、結果を出すということを日本政府も求めていない、という見方もあるようですが、それについてどう思われますか。
蓮池 昨年の日本側の経済制裁解除通告に当たって、北朝鮮政府は、遺骨調査や日本人妻の問題等を含めて「すべての日本人に関する包括的調査を幅広く行い、誠意と努力を尽くした」と、調査を進めていたことを強調しています。しかし、日本政府は、100点満点の回答でなければ受け付けない、すなわち報告書を受け取らず拒否する、という態度であったことは間違いないと思います。
 結局、調査内容の優先度に就いて両国の合意が無いままなのですね。北朝鮮側は、まず遺骨の問題や日本人妻の問題を先に出していきたいが、日本側は拉致問題を先に出せ、と言っている。この件については、日本人妻の関係者の方々や遺族の方たちは、同じ人権問題なのに優先順位があるのか、と怒っておられました。
 最優先課題とは言わずに情報はどんどん出させていくべきではなかったのか、と思います。北朝鮮ベースで動くのが不本意というのはあるのかも知れませんが、それはこの場合にはあまり意味の感じられない原則論に過ぎません。
 自民党内には、拉致被害者1人に10億、10人だったら100億出して調査させて、最終的に賠償金から差し引く形で解決すればいい、という議員もいます。それに対して「人権問題はお金を払って解決するような問題ではない」と原則論を持ち出す人もいる。その原則論は正しいと思いますが、一方で、寿命のある存在である被害者を一刻も早く捜し出すことが最大の優先事項にすることを考えるべきです。やはりここでも、日本政府にはこの問題を本気で解決する気持ちなど無いのではないかと強く思いますね。
 ある意味で、冷徹な判断、冷静な判断が出来るのは政府だけなのです。被害者家族は、拉致された被害者はまだ生きていると信じているし、言うまでもなくそうであれば何より一番良いのですが、人間には寿命があり、問題の発生から40年前後経過しているわけですから、万が一ということもありえます。全員生存が理想ですが、それしか受け付けないということであれば、状況によっては膠着せざるをえないし、北朝鮮側も亡くなっている人がいる場合には情報が出せなくなるでしょう。
 ストックホルム合意は、振り返れば、福田政権末期の2008年に行われた合意の焼き直しにすぎません。それから民主党政権を挟んで6年もの間、何をやっていたのか、と思いますね。
 ストックホルム合意の直後には、日経新聞の関係者の取材から「二桁」の生存者が存在していると発表しました。その後「生存者リストは30人」とさらに発表しています。そのことで、みな相当多くの人が生きて戻ってくるのではないかと期待しました。しかし、それ以降、安倍総理が前面に出て拉致問題について語ることは無くなってしまった。
 その後、調査が1年延期になった時も、菅官房長官が記者会見でそれを報告しただけです。何故1年延期なのか、半年ではだめなのか。そのあたりも全てがうやむやになってしまった。





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