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2017年12月18日 (月)

Science インプラント周囲炎と歯周炎の原因菌をめぐって ⑧

続き:
2) インプラント周囲炎・歯周炎関連細菌叢の解析― ③
 一方で、これらの機能を発現し、細菌間での相関が強い細菌はインプラント周囲炎と歯周炎では異なることが明らかになった。つまり、細菌叢自体が持つ機能はインプラント周囲炎と歯周炎でほぼ同じであることから臨床症状は類似しているが、この機能を担う細菌種が異なることから、同じような治療を行っても両疾患で反応性に違いが出るのではないか、という推測ができるのではなうかと考えている。
 現在、インプラント周囲炎では23菌種、歯周炎では10菌種に関連細菌を絞り込み、これらの細菌種を "interacting core taxa" と定義して、Red complex に続く新たな病原細菌になり得るのではないかと考え、さらなる解析をすすめている。
 一連の我々の研究から分かったことは、以下の通りである。
 ①インプラント周囲炎と歯周炎では、類似した機能を細菌叢が保存しているため、両疾 患では類似した臨床症状を呈する。しかしながら、病態を進行させる機能を多く担う細菌(interacting core taxa ) に違いを認める。
 ② interacting core taxa がインプラント周囲炎と歯周炎の原因菌であると推測され、そ
らの差異が、結果として両疾患の治療に対する反応の違いに影響すると考えられる。
 インプラント周囲炎と歯周炎ではinteracting core taxaが異なり、両疾患の原因菌が
  違う 可能性が高い。
 
 一連の研究から、インプラント周囲炎と歯周炎それぞれに関連深い細菌群を interacting core taxa と定義するに至った。意外にも両疾患で共通した細菌種はわずか3種であり、また、既知の歯周病原細菌だけでなく、他の細菌種もその病原性に関与している可能性が示唆された。現在、医療分野においてゲノム解析に基づく疾患の解明や治療薬の開発は目覚ましいものがある。この手法を用いることで、これまで原因の一面しかみえていなかったものの全体像を明らかにすることが可能になった。今後もゲノム情報を紐解きながら、これらの疾患を克服するために効果的な治療法の開発や、発症予防・早期発見に寄与する検査法への応用などに奮闘したいと考えている。我々の研究が、患者のQOLを脅かすインプラント周囲炎と歯周炎を克服するための一助となればと願うばかりである。
     http://masa71.com/   更新しましたのでよろしく。
   





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