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2018年1月30日 (火)

弱くて強い植物の話(3) ②

続き:
 今まで種子を作るのに、長い年月を掛けていたものが、わずか数時間~数日中にできるようになったということは、それだけ世代を早く更新することができる。世代更新が進むということは、それだけ進化を進められるということだ。
 こうして、被子植物はそれまでに比べて劇的にスピードアップした進化を遂げることができたのである。
 中生代ジュラ紀、恐竜たちが闊歩していた時代に繁栄を遂げていたのは、裸子植物であった。裸子植物は美しい花を咲かせることはない。ジュラ紀の森には、我々がイメージするような色とりどりの花はまったくなかったのだ。
 裸子植物は、風に乗せて花粉を運ぶ方法は、雄花から雌花に花粉が届く確率は低いから、膨大な花粉を生産しんければならない。
 現代でもスギヤヒノキなどの裸子植物が、大量の花粉をまき散らして、花粉症の原因として問題になるのは、裸子植物が風媒花だからなのである。
 裸子植物から進化した被子植物も、もともとは風媒花であったと考えられるが、子房が発達するとほとんど同時に、昆虫が花粉を運ぶ虫媒花が発達したとかんがえられる。
 元来、昆虫は、植物の花粉を運んでやろうという親切心で、花にやってきたわけではない。昆虫は花粉を餌にするために、花にやってきた。つまり、元来、植物の花にとっての害虫だったのである。
 ところが、花粉を食べにやってきた昆虫に付着した花粉が別の花に訪れると、偶然、受粉をしたことだろう。昆虫は花~花へと移動するから、植物にとっては、昆虫に花粉を運ばせることができれば、極めて効率が良い。少しぐらい昆虫に花粉を食べられたとしても、どこへ飛んでいくか分からない風まかせの送粉方法に比べれば、ずっと確実である。
 そのため、昆虫に報酬として花粉を食べさせたとしても、生産する花粉の量をずっと少なくすることができたのである。
 そして花粉生産を節約した分のエネルギーを使って、昆虫を呼び寄せるための花びらを発達させた。そして、ついには甘い蜜を用意し、芳醇な香りを漂わせて、あの手この手で昆虫を呼び寄せるようになったのである。そして、我々が知る美しい花が誕生したのである。




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