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2018年1月15日 (月)

先制歯科医療とは ②

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 先制医療は、がんや遺伝性疾患のように、ゲノム情報等との疾患との関連性のエビデンスが蓄積されている疾患から順に実現していくと期待される。すでに肺がんではゲノム情報に応じて薬を選ぶ時代が来ており、遺伝性疾患の中には異常のある遺伝子をターゲットにした薬が開発されているものもある。
 ADも同様で、一番のリスクファクターは加齢で、高齢者が増加する日本では大問題である。加齢そのものは防げないので、それ以外の要因へのアプローチが研究されている。
 ADは、脳にβアミロイド(Aβ)が溜まることを引き金に、タウタンパク質の凝集が起き、脳の神経細胞が変性・脱落して、脳萎縮が生じると考えられている。
 即ち、Aβが溜まり始めてから症状出現までに十数年かかる。そのため早期にAβの増加は認められるがまだ無症候で、認知機能は正常な「プレクリニカルAD」と呼び、その時期に介入する研究が世界中で盛んに行われている。
 福岡県久山町研究(地域に住む40歳以上の全住民を対象に行われている前向きコホート研究)では、2002年以降、全健診受診者のDNAが採取されている。脳梗塞、加齢黄班変性症などとともにADについても調査を行ったが、ADに関連する遺伝子はアポリポ蛋白E(ApoE)以外見つかっていない。発症メカニズムを追及する上では他の遺伝子も探索する必要がある。
 う蝕・歯周病を始めとする口腔疾患はどうであろう。同様の取り組みが必要となる日は近いため、新しい視点が求められる。
 胎児期、新生児期、乳児期の環境ファクターが成長後の健康や疾病の発症リスクに影響を及ぼすという DOHaD (Developmental Origins of Health and Disease )説も広く知られている。
 大規模調査を実施するのは現状では難しいところで、新たな解析手法の開発が求められる。血漿サンプル等から測定法が確立し、新しいバイオマーカーが発見されれば、安価で安全、どのような医療機関でも簡単に検査を行えるかもしれない。
 口腔領域では、唾液検査の活用が期待されている。




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