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2018年1月19日 (金)

ノーベル文学賞 イシグロ氏

「ストックホルム共同」の森原龍介さんは、カズオ・イシグロ氏の講演について書いている。コピー・ペー:
 <イシグロ氏は、貧富の格差の拡大や人種差別主義の台頭を踏まえ、「分断が危険なまでに深まる時代、耳を澄まさなければならない。良い作品を書き、読むことで壁は打ち壊される」と述べ、文学者が担う使命の重要性を説いた。>
 講演のタイトルは「私の20c. の夕べ― そしていくつかの発見」。イシグロ氏は「大切なのは物語が感情を伝えることであり、国境や分断を超えて人間が共有するものに訴えかけるということだ」と語った。
 イシグロ氏は、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の舞台になったアウシュビッツ強制収容所跡への1999年の訪問が、作品で書き続けた「記憶」という主題を発展させ、国家が負の歴史とどう向き合うのかという大きな問いに繋がる転機だったと明かした。
 イシグロ氏は日本人の両親の下で長崎市に生まれ、5歳で渡英。講演では、大人になるにつれて記憶の中で薄れてゆく日本と向き合ったことが創作活動の原点であり、小説の中で、私にとっての日本」を築き直したいと思ったと振り返った。原爆投下からの復興を遂げる長崎を舞台にした最初の長編小説「遠い山なみの光」にも言及した。
 英国の EU 離脱やトランプ米大統領の登場を念頭に、自明のものと信じてきたリベラルな価値観が根底から揺らぐ現実に強い危機感を表明。人種差別主義が台頭する現状を目覚めつつある怪物」に例え、懸念を示した。
 その上で「困難を乗り越える時、文学が特に重要と信じる」と強調。不確実な未来で文学が重要な役割を担おうとするなら、形式にとらわれず、さまざまな声を反映して多様性を確保するべきだと訴えた。「私たちを鼓舞し、導く若い世代の書き手に期待する。彼らの時代だ」とエールを送った。
 ―― 授賞式は2017/12/10、日本出身の作家としては1968年の川端康成、1994年の大江健三郎氏に続く3人目、23年ぶりの受賞となる。





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