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2018年1月28日 (日)

カズオ・イシグロ氏の講演 ⑦

続き:
 第一に、エリートが優先する世界の文化という心地よい区域を超えて、私たちに共通した文学の世界を広げなければならない。より多くの声を文学に含めるためだ。今日ではまだ知られていない文学文化の中から珠玉を発見するため、より精力的に探査せねばならない。
 第二に、良い文学というものを形作る定義をあまり窮屈かつ保守的に見ないということに大いに気を配らなければならない。次の世代は重要かつ素晴らしい作品を語る上で、あらゆる新たな、時にはひどくまごつかせるようなやり方で訪れるだろう。特にジャンルや形態に関して絶えず心を開いていなければならないし、そうすることで彼らのうちの最善のものを育み、祝福できる。分断が危険なほどに深まる時代において、私たちは耳を澄まさなければならない。良い作品を書き、読むことで壁は打ち壊される。
 スウェーデン・アカデミー、ノーベル財団、スウェーデン国民の皆さん。私たち人類が懸命に希求する幸福の輝かしい象徴として、ノーベル賞を長年あり続けさせてくれたことに、感謝申し上げる。





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