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2018年1月14日 (日)

先制歯科医療とは ①

阪井丘芳(大阪大学歯学研究科教授)さんは「内の目外の目」第181回には、次の様に述べている。―― コピー・ペー:

 「先制医療」とは、個人の遺伝子、mRNA、タンパク質、代謝産物、画像等のバイオマーカーを用い、将来起こり易い病気を疾患の発症前に診断・予測し、介入するという予防医療である。

 高齢化に伴い高騰する医療費・介護費の抑制に加え、治療成績の向上や健康寿命の延長も見込めるとして注目を集めており、歯科・口腔領域に関しても有用な指針となるであろう。

 本稿では、アルツハイマー病(AD)とゲノムコホートを紹介しながら、今後の歯科治療の課題も含めて述べる。

 2015年に米国オバマ大統領は年頭の演説で「精密医療」(Precision medicine)の実現に意欲を示した。新たな患者主導型研究モデルを開発し、どの患者にはどの治療法がベストかを選択するための新しいツール、知識、治療法を臨床医に提供するものである。

 目標は5つ、

 ①がんのより良い治療法の開発・提供、

 ②100万人以上を対象とした全米研究コホートの設置、

 ③精密医療に伴うプライバシー問題への取り組み、

 ④規制改革、

 ⑤官民提携。

精密医療は予防に応用可能と述べられていたが、それが先制医療である。即ち、先制医療は、精密な予防医療といってよいかもしれない。

 疫学前に予防には段階がある。1次予防は発症を未然に防ぐこと、2次予防は発症した疾病を治癒させること、3次予防は治癒できないながらも悪化を防ぐことを指している。

 予防医学と先制医療の違いは、将来の予防医学は一般的な患者を想定してデザインされた集団に対する予防であるが、先制医療は個人の特徴に応じて介入を行うもの。

 予防医学とゲノム医療、オーダーメイド医療の合体である。

 ゲノム医療との違いは、予防の為にゲノム情報やバイオマーカーだけででなく、個人のライフスタイルや他の環境要因も考えに入れることだ。

 厳密にいえば、個別化予防は、「病気になる前」に介入するもので、先制医療は「病気にはなったが未診断の時期」、予防だけでなく早期介入による病気進行抑制も含まれている。

 さらに個人の遺伝要因を基に、効果が高い薬や副作用が少ない薬を選び、薬の投与量を決定していく。



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