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2018年1月13日 (土)

Report 2017 健康格差 ②

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 同著の「日本語版への序文」でカワチ氏は、当時の日本の格差の実情を踏まえて、「私が主張したいのは、社会内部における経済格差(アメリカで高く、日本で比較的低い)や、地域や職場における社会的結束(日本で高く、アメリカで低い)こそ、人々の健康を左右する重要な要因なのだということだ」と述べ、そこに日本人の長寿の謎を解く鍵があると指摘した。

 同時にカワチ氏は、「世界中で経済格差は拡大し続け、日本もその例外ではない」と指摘して、アメリカンスタイルの資本主義を導入することの危険性を警告している。

 果たして、日本人の平均寿命は、急速な経済成長が始まった1950年代から伸び始め、1970年代に入るとアメリカや先進各国を追い越して1位になり、1990年頃までは、平等で連帯意識の強い社会をバックボーンに伸び続けたものの、バブルが弾けて以降は、格差が急激に広がり続けた結果、平均寿命も頭打ちになっていると、このワーキングペーパーは指摘している。

 厚労省の発表によると、2016年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳、男性が80.98歳で、いずれも過去最長を更新した。しかし、主な国・地域との比較では、女性、男性ともに香港に次ぐ2位だった。女性は2015年に香港に世界1位の座を譲った。男性は2015年には香港、アイスランド、スイスに次ぐ世界4位に甘んじた。こうした実情から、「健康日本21(第二次)でも健康格差の縮小が課題の一つに挙げられている。

 このワーキングペーパーは、これから地域包括ケアシステムを構築していく上でも、「格差」が小さく、穏やかで幸せに暮らせる社会を作っていく必要があると述べるとともに、そのために医療にできること、果たすべき役割は大きいと指摘しているのだ。



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