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2018年2月17日 (土)

Clinical 大規模災害犠牲者身元確認と臨床歯科医 ⑧

続く:
 以上述べたように、過去において実際に発生した航空機事故や大地震災害が、災害における歯科医師の役割の重要性をより明確にしてきた。そしてその結果として、有事の際には様々な面で歯科医師の協力が求められるようになった。
 協力の内容については、災害医療における歯科治療と、身元不明死体の個人識別における歯科的検査ならびに歯科的個人識別である。
 災害発生に備え、災害医療班の中での歯科治療班はどのような組織を持ってどのように行うか、また警察協力医は歯科的検査や歯科的個人識別方法をどのようにして行うかを普段から研修等を通じて理解し、訓練しておく必要がある。
 特に警察歯科医については、歯科医師会会員全員とするよりは、通常の事件や事故での警察協力や研修セミナーを通じて相当数の経験ある歯科医師を養成しておくべきであろう。
 災害医療における歯科治療では、日常の診療業務と大差がないわけであるから、迷うことは無いと思う。しかしながら、災害犠牲者については災害の種類により死体の状況なども全く異なるわけであり、有事の際には円滑に作業が進行するとは考え難い。
 今後、死体を扱うことの特異性や PTSD (Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷ストレス障害)の危険性などを考えた場合、身元確認作業ができることを証明するような認定警察歯科医の制度を設けることも必要であるかもしれない。
 歯科医師の役割として、歯科医師法の第一章・総則【歯科医師の任務】 第一条において、「歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによって、公衆衛生の向上及び健康増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」と定められているが、これだけでなく「法的にも健全で、安心安全な社会の維持」にも重要な役割を演じているといえる。





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