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2018年2月11日 (日)

Clinical 大規模災害犠牲者身元確認と臨床歯科医 ②

続き:
1. 法歯学と歯科的識別
 法歯学の主な活動分野ととしては、以下の3つが挙げられている(Edward D. Woolridge Jr による)。
 ①確実な個人識別を目的として、身元不明死体から得られる歯科的証拠を検査・鑑定する。
 ②咬傷を負わせた容疑者を確認したり、除外したりするために噛傷の検査・鑑定を行う。
 ③生体、死体を問わず、歯や顎ならびに口腔組織に対する損傷の検査・鑑定を行う。
 これらのうち、警察歯科医(臨床歯科医)が通常警察から依頼を受けるのは、①の個人識別、いわゆる身元確認である。
 1979年10月20日パリで開催されたFDI法歯学分科会において法歯学における用語が定義されているが、それによれば、
 ◆Forensic Odontology(法歯学)
   法務当局に提出される歯および口腔に関連する証拠を専門的に処理・検査し、そ
 の知見を判定・提示することを取り扱う歯学の一部門
 ◆Dental Identification(歯科的識別)
   歯科的特徴に基づく識別
 ◆Dental Expert(歯科鑑定人)
   歯科知識・経験により、歯科的資料を鑑定する人
 ◆Forensic Dental Expert(法歯学鑑定人)
   法歯学についての知識と経験により、この分野で適確な意見を提示できる歯科鑑
 定人
となっている。
 この定義に従えば、わが国における警察歯科医は、歯科鑑定人に相当するものと考えられ、大学の法歯学関連の講座や研究室に所属している者は法歯学鑑定人ということになる。もちろん、臨床歯科医とも異なる。つまり、この定義から考えれば、歯科医師であればすべて警察歯科医、あるいは法歯学専門家であるということにはならない。
 従って、大規模災害の犠牲者の身元確認作業に参加する一般臨床医は警察歯科医、つまり法歯学研修などを通して鑑定人としての知識や経験を持っているということが重要である。他方、災害時歯科医療においてはこの限りではないと考える。





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