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2018年2月12日 (月)

Clinical 大規模災害犠牲者身元確認と臨床歯科医 ③

続き:
2. 大規模災害犠牲者の身元確認
 航空機事故を例に、大規模災害の特徴とその特徴ゆえに考えておかねばならない事項は、
1)遺体数が多い
 (1)検視場所の確保 (2)検視体制(組織)の確立(他県歯科医師会や日本歯科医師会、大学および大学の法歯学関連機関への協力要請の決断は?)
大規模災害発生時の規模に応じた組織の流れについての一案
※ 災害発生時には、警察庁→県警、そして、→都道府県の歯科医師会へと連絡が入り、歯科医師の派遣要請がなされる。要請を受けた県の警察歯科医会は、県レベルで対応が可能であればそのまま任務遂行する。小規模災害のような県の歯科医師会のみで行うことができる場合、あるいはすでに隣県との間で協定が結ばれているような場合には、自らの判断で協力を要請することも可能である。(県警察歯科医師会→近隣県の警察歯科医師会への協力要請)。
 しかしながら、規模が大きくなって、もし隣県、あるいは全国レベルでの応援必要と判断されれば、日本歯科医師会や県警に要請し、そこから近隣県、あるいは全国の歯科医師会へ協力を要請することが、円滑に作業が進むのではないかと思われる。
 但し、このような組織ができあがっても、その指揮はあくまでも災害発生県で行うべきであり、他県からの参加者はその指揮下に従うべきである。
 (2)確認作業に要する時間が長くなることがある(参加できる歯科医師の割り振り
2)遺体の損傷が激しい
  (1)回収について(歯科医師の災害現場への立ち会いの必要性の判断)
  (2)回収部位の確認(遺体数と犠牲者数との関係)
  (3)検査方法(離断遺体や焼死体)(口腔領域の写真やX線写真撮影方法、歯科記録の記載用紙の選択、収集した情報の管理方法等)
3)様々な分野の多くの人々が、同じ場所・同時に作業
  (1)相互の協力体制の確立(遺体検査における警察、医師、歯科医師、看護師等の協力体制)
  (2)研修の必要性(行政、警察、歯科医師会、医師会等を含めた合同訓練)
 4)閉じられた災害
  (1) 生前の個人識別情報の収集及び整理方法(航空機事故のような犠牲者の氏名が前もって分かるような災害では、犠牲者の氏名、年齢、血液型、かかりつけの医師や歯科医師に関する情報等を家族関係者からどこで、どのようにして収集するかという手順)
 5)遺族に関する特徴
  遺族の心理の理解(遺族との対応の訓練、臨床心理上の配備)
 6)マスコミに関する問題
  世間の注目度(身元確認作業関係者の和を乱すような行為の確認)
 7)その他
  (1)提供される食事に関する問題
  (2)事故を起こした側(加害者)との協力体制について
 これらの各特徴とそれへの対応策について解説することは紙面の都合上割愛するが、ここに掲げた内容は航空機事故だけでなく、すべての災害にもいえることである。
 災害はその犠牲者の数に応じてそれぞれ大規模、中規模、小規模と区別されている。また、災害を被災者について見ると大きく2つに分けることができる。つまり、生存者と死者である。災害が発生するとまず生存者の救出、救命が先行して行われる。
 この作業に要する時間は、生存者が多い災害では長くなることは必至だ。一方、航空機事故のようにほとんど死亡する場合には身元確認作業が主となる。従って、生存者と死者に対する関わり方も異なることになる。
 さらに、死亡者だけについてみてもその状況から2つに分けることができる。地震や列車事故のように犠牲者が不特定多数の場合と、航空機事故やホテル火災のような特定多数、すなわち前もって犠牲者の氏名が分かる場合である。前者を開かれた災害、後者を閉じられた災害という。よって、この2つの場合における歯科的な身元確認方法もまた異なることになる。
 そこで、以下に各場合における歯科医師の関わり方について考える。
 





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