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2018年2月23日 (金)

トランプのアメリカに住む<3>―②

続き:
 TV討論では、トランプが依然、性差別的で人種差別的な考えを持ち続けていることも確認された。彼は元ミス・ユニバースが受賞後に太ると「ミス子豚」と呼び、中南米出身という理由で「ミス家政婦」と呼んだ。その発言を批判されると、彼女の「セックス動画」が存在するかのようなツイートを始め、司会者から「自制心の欠如」を批判されると、「セックス動画を探せとは言っていない」と言い返した。彼が批判された「わいせつ会話」も氷山の一角で、討論中に彼はクリントン候補に「嫌な(ナスティ)女」という言葉を浴びせたが、「ナスティ」には「汚らわしい」との人格否定的な含意がある。
 『トランプ自伝』のゴーストライターをしていた人物は、1年半もの間、彼と行動を共にする中から見えてきたトランプの実像を『ニューヨーカー』で生々しく告白した。それによれば、トランプの最大の特徴は「集中力がない」ことだ。彼は、「教室でじっとしていられない幼稚園児」のような存在で、自己顕示欲が全てである。何故ならば彼は、まだ一冊も本を読み通したことがない。集中力が続かないのだ。だから情報源は全部TV。何よりもトランプは「口を開けば嘘をつく」。彼の「嘘は口から出まかせではなく計算ずく。人をだますことに何の良心の呵責も感じていない」。そもそも彼は、「事実かどうかということをまったく気にしない」のである。集中力がなく、平気で嘘をつき続ける人物が、国民に正式に選ばれ、超大国アメリカの頂点に座った。
 しかし大統領になってからも、この人物の暴言癖、虚言癖は鎮静化しなかった。誇張と恫喝、誤認と虚勢、何でもありのふるまいを大統領が続けるので、私たちの世界も何でもありになってしまったかの様相を呈した。
 全米20社の新聞が作った「ポリティファクト」の検証では、大統領の発言で真実と言えるのはたった4%、多めに見積もっても16%にすぎず、約70%は事実に反する「嘘」だ。このトランプは性懲りもなく口から出まかせを言い続けるので、発言の大部分が嘘となる。
 日本に対しても、大統領選中に日米安保が片務的で、「米国が攻撃を受けても、日本は何もする必要がない」と批判していた。事実無根だが悪びれない。大統領就任後、米企業経営者との会合で、「日本はわれわれが車を売るのを難しくしている」と、日本に自動車輸入関税が続いているかのように語り、「日本の安全基準が厳しく、輸出の妨げだ」とも主張した。―― これらのどちらも、事実に反している事だ。
 こうした嘘を嘘とも思わない態度はトランプ政権に共有され、大統領報道官は就任式の聴衆が「史上最大」だったと事実に反する発表をした。メディアにこの点を衝かれると、政権幹部は発表は嘘ではなく「オルタナティブな(もう一つの)事実なのだ」と主張した。
 トランプは過って、「大事なのはハッタリ。私はそれを真実の誇張と呼ぶ。ハッタリは効果的な宣伝だ」と語っていた。語る内容が事実かどうかを気にしない。相手に影響を与えればいいという発想である。だからこのトランプは、気に入らないメディアと平気で敵対した。記者会見では自分の意に沿わない報道をした記者を露骨に攻撃して、記者が質問しようとすると、「静かにしなさい。無礼をするな」「あなたには質問させない。あなた方はフェイクニュースだ」と返答を拒否、トランプ政権寄りのメディアだけに質問を許していった行動だ。




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