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2018年2月26日 (月)

トランプのアメリカに住む<5>―①

続き:
 こうしたリアリティの地殻変動は、勿論2016年以前に生じ始めていた。16年の米大統領選が証明したのは、条件さえ整えばごく普通の人々が氾濫するフェイクニュースを信じ込み、それを前提に行動を起してしまうことだった。選挙結果が出てまもない11月28日から12月1日まで、バズフィードニュースは Ipsos Public Affairs 社に依頼してフェイクニュースの受容に関するオンライン調査を実施。調査対象として抽出された3015人の有権者で、フェイスブックから抽出された真偽の混ざった11項目のニュースから、3つの正しい見出しと3つの嘘の見出しがランダムに選ばれ、これらの受容が調査された( Silverman、Craig、"M ost Americans Who See Fake News Believe It、New Survey Say"、BuzzFeed News、Dec.6、2016 )。
 調査ではまず、これらの見出しに選挙期間中に接した経験があるかが尋ねられるが、フェイクニュースでは約33%が接した経験があると答え、フェイクではないニュースでは約57%だった。次に、ニュースの見出しに接した人々のなかで、どのくらいの割合の人々が見出しは本当だと信じたかを尋ねると、偽では無いニュースの場合は80~90%の信憑性が得られていたが、偽のニュースであっても70~80%の人々が、見出しは事実と受けとめていたことがわかった。フェイクニュースの見出しに対する信憑は、民主党支持者が平均71%だったのに対し、共和党支持者では実に平均84%に達していた。
 クリントン支持者とトランプ支持者でフェイクニュースを信じた人の割合を比較すると、圧倒的に後者の方が信じ込んだ割合が高かったことも確認された。「ローマ教皇がトランプ支持を表明」というフェイクニュースは、クリントン支持者で信じた割合は46%だったのに対し、トランプ支持者の75%が事実と信じていた。
 「ヒラリーのメール流出問題を捜査していたFBI捜査員が自殺と見せかけて殺害された」というフェイクニュースでは、クリントン支持者の52%に対し、トランプ支持者の85%が本当のことと信じていた、トランプ支持者の異様なまでの信じ込みやすさはさて置き、クリントン支持者ですら半数前後の人々がフェイクニュースを信じたのは驚きである。要するに、人間はかなり信じ易い動物なのである。
 




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