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2018年2月18日 (日)

トランプのアメリカに住む <1>―①

吉見俊哉(東京大学大学院教授)さんは述べている。コピー・ペー:
 2017年9月から、ハーバード大学で、一年間の授業を担当するために来てすでに約2ヵ月経った。キャンパス外に目を転じれば、今、アメリカ社会は混乱そのものである。バージニア州での白人至上主義者と反対派の衝突、プエルトリコのハリケーン災害と復旧の遅れ、ラスベガスのコンサート会場を狙った大量射殺、カルフォルニアの大火事、― それに逼迫する北朝鮮危機を含め、多くでトランプ政権の拙さが目立つ。加えて大統領自身の言動が日々物議を醸すので、人々はすっかり嫌気がさしている。
 中でも深刻化しているのが、ロシア疑惑。すでにトランプの元選対本部長だったポール・マナフォードらが、ウクライナの親ロシア派のマネーロンダリングに関与して数千万ドルの報酬を受けたとして追起訴されている。最近、政権中枢のウィルバー・ロス商務長官が、タックスヘイブンにある複数法人を介してプーチン大統領に近いロシアのガス会社と取引し、巨利を得ていることがわかった。そして2017年2月、大統領補佐官を辞任したマイケル・フリンには、さらに怪しげなロシアやトルコとの関係が取り沙汰されてきた。彼は、ロシア当局者と対ロ制裁について内々に協議していたことが判明し、辞任となった。トランプ大統領はFBIに対し、「この一件を忘れてくれるよう頼みたい。フリンはいい奴だ」と圧力をかけていたという。
 問われているのは、トランプ政権とロシア政財界の癒着だけではない。一層深刻なのは、ロシアの諜報工作と2016年の大統領選の関係である。逮捕された同陣営の元外交顧問が証言したところでは、マナフォードは、同年6月、「クリントン候補に不利な情報がある」と持ちかけたロシア人弁護士やロシアの元工作員らと、トランプ候補の息子や娘婿とともに会っていた。この接触を通じ、彼らはロシアから秘密情報を得、ロシア側にクリントン候補に不利な情報を流すように促したのでないかと疑われている。
 実際、米大統領選挙で、ロシアがアメリカの21州のシステムにサイバー攻撃の対象にしていたことはすでに明らかになっている。これは選挙のシステムへの攻撃だが、それ以外にもアメリカ政府や民主党に対するハッキングやサイバー攻撃がなされていたと考えられる。それらの一部は成功し、一部は失敗したであろうが、こうした攻撃の中でクリントン候補に関する「不利な情報」も集められ、トランプ陣営の交渉の材料になっていたのかもしれない。そういえば昨年のTV討論で、トランプ候補はクリントン候補の電子メールに関する秘密を握っていることを執拗に仄めかしていた。
 こうした言動と、ロシアがハッキングで秘密情報を得ていたことは寄しくも対応する。果たしてこれは偶然なのか――。少なくともワシントン・ポスト紙によれば、トランプ大統領自身も罪を犯した可能性は高いと考えている人が約半数に上る。




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