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2018年2月 6日 (火)

Science オーラルヘルスに関しての抗菌性洗口液 ⑤

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 樹皮、根、果皮、果実、花、種子等から抽出される精油のエッセンシャルオイルは、抗菌性があり感染予防等に使用されてきている。芳香性のあるマヌカオイルやティーツリーオイル等のエッセンシャルオイルは、ミュータンス菌群や歯周病原細菌に抗菌性を示し、口腔粘膜に塗布して口臭予防等のアロマセラピーに使用されている。
 エッセンシャルオイルを含有する抗菌性洗口液のリステリン液は、アメリカ歯科医師会(ADA)及びアメリカ政府食品医薬品局(FDA)がデンタルプラーク抑制、歯肉炎予防に効果があるとして承認し、世界各地で使われている。
 リステリン液に含まれるエッセンシャルオイルのチモール、サリチル酸メチル、シネオール、メントールは、それぞれシソ科の葉、ミズメザクラの樹皮、ローズマリー、ミントから抽出される。
 イギリスの外科医で感染予防に取り組んだ Lister J 教授の名前に由来するもので135年もの長い歴史があり、大きな副作用の報告もない。リステリン液には、水に溶けにくいチモールなどのエッセンシャルオイルをエタノールで溶解させた刺激感のあるものと、界面活性剤のラウリル硫酸ナトリウムで溶解したノンアルコールのものがある。
 リステリン液は、短時間に口腔内細菌を殺菌し、HIV、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルスを不活化する。また、リステリン液での洗口は、超音波スケーリング中の血流への生菌侵入を有意に低下させる。さらに、タービン治療中でのエアロゾールの生菌数を減少させる。
 リステリン洗口液は、Streptococcus mutans に殺菌作用を示すことが明らかにされている。また、矯正治療中の機械的プラークコントロールが難しい場合にも、短時間に抗菌性を発揮してう蝕に有効である。さらに、インプラント治療のメインテナンスでのリステリン液での洗口の効果が示され、コクラン共同計画でもインプラント周囲炎予防にリステリン液での洗口は、有効と評価されている。
 リステリン液の使用が、デンタルプラーク抑制、歯肉炎予防に有効であることは、複数の RCT 臨床研究で明らかにされてきた。
 また、歯周治療後のメインテナンスに於ける有効性も示されている。化学的な除菌を目的とした抗菌性洗口液は、デンタルプラーク抑制や歯肉炎予防に有効であることの系統的レビューやメタ解析がなされ、歯周病予防戦略に組み込むべきであろう。





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