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2018年2月 5日 (月)

Science オーラルヘルスに関しての抗菌性洗口液 ④

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 2013年、世界13カ国からの25名の研究者によって各種医薬部外品の抗菌性のある洗口液(一般的にはマウスウォッシュとマウスリンスの使い分けはなされていない)に関する解析がなされ、デンタルプラーク抑制、歯肉炎とう蝕予防等についてランダム化比較試験を含む約500編の論文について系統的レビューとメタ解析がなされた。
 その内容は、2014年の Oral Diseases 誌の特別号に68ページにわたって掲載された。消毒効果のある抗菌性洗口液には、がんリスクを高めることや腸内フローラを攪乱させるような副作用もない科学的裏付けを取りつつ、健康増進に寄与するという総括がされた。
 
 口腔細菌の増加を抑える戦略は、メカニカルな清掃が基本であることは、ヒポクラテスの時代から変わることなく行われてきた。複数菌種がバイオフィルムとなるデンタルプラークの足場になる歯面は、口腔内の約25%だ。歯面だけでなく歯肉溝、舌面、頬粘膜、口蓋、咽頭粘膜にはそれぞれ縄張りを持つ口腔固有の細菌や歯周局所の嫌気性グラム陰性菌の増加が顕著になり、免疫応答に破綻をもたらす。これらの口腔内細菌を抗菌性洗口液使用による化学的な除菌は、さらに普及させるべきである。
 医薬部外品として抗菌性洗口液は、イオン性のものと、非イオン性のものに大別される。陽イオン性のグルコン酸クロルヘキシジン(CHX)や塩化セチルピリジニウム(CPC) などは、マイナスに荷電している口腔内バイオフィルム表面に付着して静菌性に作用する。
 Oral Diseases 誌でのメタ解析は、CHX や CPC 含有の洗口液はデンタルプラーク形成を抑制するが、歯面やデンタルプラークとイオン結合して沈着するため汚れと着色をもたらす。
 また、イオン性マウスウォッシュは、歯石沈着を促してしまうことなどの副作用のあることも記載されている。
 非イオン性の第3種医薬品のイソジン液やネオヨジン液などの商品名で市販されているポビドンヨード液、医薬部外品である洗口液のエッセンシャルオイル含有のリステリン液、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、イルガサン DP300は、バイオフィルム細菌集団にある程度浸透性を発揮して、短時間内に殺菌効果を発揮する。ポビドンヨード液は細菌の殺菌性だけでなく高いウイルス不活化作用があり、皮膚や口腔内の感染予防に極めて有効である。
 含嗽や吐き出しができない要介護者などの口腔ケアにジェル状にして口腔内に塗布するとともに専用のバキュームで吸引するものも普及している。
 歯科治療中の血流への生菌侵入を防ぐべきであり、外科処置、スケーリング、印象採得に先だって、ポビドンヨード液による洗浄や洗口をガイドラインに組み込むことによって感染リスクを低下させることができる。また、ポビドンヨード液は歯周治療に組み込んで良好な結果をもたらすという評価もある。
 フェノール類の IPMP は、チモールの異性体でエタノールや界面活性剤に溶解させて抗菌性洗口液に加えられている。
 





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