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2018年3月11日 (日)

弱くて強い植物の話 (4) ③

続き:
 紫色の花を見ると、下側の花びらだけには模様のようなものがあったり、下の花びらだけが少し色が違ったりする。これが、密のありかを示す目印なのである。この模様は、ヘリポートのような役割をしていて、この目印を発見したハチは、下側の花びらに着陸をする。
 すると、花の奥に向かって、やっぱり密のありかを示す模様がある。この模様にしたがって、花の奥へと侵入できるのである。
 紫色の花は、横向きに咲いて、横から侵入するようになっているだけである。こんな単純な仕組みで、本当に他の昆虫の侵入を防げることができるのかと疑問に思うが、よく観察してみると、アブは屋根のように入り口を覆い隠している上の花びらに着陸してしまうので、花への入り口を見つけることができない。
 さらに、花の奥へ進むと、後ずさりして戻ってこなければならない。こうした狭いところに潜り込んで、後ずさりして出てくるという行動はハチだけが得意とするところである。
 こうして、密の目印を理解できる知能テストと、狭いところに潜り込める体力テストを課して、ハチだけに密を与えているのである。
 しかし、不思議なことがある。
 ハナバチは、同じ種類の花を回って花粉を運ぶが、何も植物のために、わざわざ遠くまで花粉を運ばなければならない義理は無い。近くに別の花があれば、そちらに行っても良さそうなものである。
 それなのに、どうしてハナバチは同じ種類の花を回って花粉を運ぼうとするのだろうか。
 紫色の複雑な花の形は、大学試験問題のようなものである。もし、毎年同じ問題を出す大学があったらどうだろう。昨年の問題さえ知っていれば、確実に合格することができる。
 ハチも同じである。別の花に行って、新たな問題を解いても、豊富な密があるかどうかは分からない。それよりも、テストにクリアしたハチは、同じしくみの花から手に入れたくなる。そのため、ハナバチは同じ種類の花を選んで飛び回るのである。
 ハチと花の関係は「共生関係」といわれるが、けっして助け合っているわけではない。ミツバチも植物も、自分の利益ンためだけに、利己的に働いているだけである。
 しかし、結果としてミツバチも、紫色の花もお互いが得になる Win-Win の関係を作り上げている。自然界は、ルールも道徳心もない厳しい競争の世界である。しかし、そんな弱肉強食の自然界だからこそ、どちらも得になる共生関係を進化させてきたのである。
   http://masa71.com/     更新したので良ろしく。




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