« 弱くて強い植物の話 (4) ③ | トップページ | Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ② »

2018年3月12日 (月)

Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ①

沼部幸博(日本歯科大学教授)さんの研究文を記載する。コピー・ペー:
 日本歯周病学会は、2017/12/17、日本歯周病学会60周年記念京都大会において、「京都宣言 ~歯周病撲滅に向けて~」を表明、今後の学会の目標を掲げた。
 京都宣言:
 1 歯周病研究を一層推進し、世界に向けて成果を発信します。
 2 歯周病の新しい臨床指標を導入し、医科との連携をさらに強固にします。
 3 歯周病専門医、認定医、認定歯科衛生士の資質向上と地域偏在解消に努めます。
 4 歯科医師会、歯科衛生士会等と連携して地域における歯周病治療の向上に取り組みます。
 5 歯周病予防に向けて、青年期からの歯周病健診の推進、啓発活動に取り組みます。
 2017/12/17、
    特定非営利活動法人 日本歯周病学会   於:京都国際会館
 そしてその2番目に、歯周病の新しい臨床指標の導入と、医科との連携強化を挙げている。この背景には、ペリオドンタルメディシン(Periodontal Medicine :歯周医学)の概念が歯科医療従事者だけでなく、医療関係者、一般の方々へ徐々に浸透している中で、浮き彫りとなったいくつかの問題点の存在がある。
 このペリオドンタルメディシンの概念が、1997年に「Sunstar-Chapel Hill Symposium」において明確になってから、すでに約20年が経過。その間、歯周病と全身疾患との関連に関する基礎研究、臨床研究が多数報告され、当時とは比べものにならないほど、歯周病の存在が多くの疾患の発症・増悪に影響を与えていること、さらには歯周治療としての介入を行うと、疾患の発症予防や、症状の軽減にもつながることが示されるようになった。本邦では近年、ペリオドンタルメディシンのエビデンスやメカニズム、歯科治療および歯周治療時における留意点などが提示された優れた指針が出版されている。また一般向けにもペリオドンタルメディシンの概念の啓発書が多数出版され、各種メディアでの報道や特集番組の報道と合わせて、口腔内健康管理が全身の健康管理にもつながることが徐々に浸透しつつある。そしてペリオドンタルメディシンの概念を把握しつつ、患者のQOLを高めるべく対応するには、歯科だけでなく、多職種、特に医科との連携が必須となる。
 この多職種連携(協働)または医科歯科連携、さらには地域包括ケアシステム構築の現状を鑑みると、現場において常にあるキーワードが存在することに気付く、それは、「共通言語」の必要性である。例えば「口のリハビリテーション」での多職種連携では、患者、家族を中心に、歯科医師、歯科衛生士、医師、看護師、介護福祉士、管理栄養士、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士、社会福祉士が関与し、それに薬剤師も加わる場合もある。その中で必須なのは当然のことながら患者の状態に関する情報共有である。それをもとにそれぞれの職種が対策を決定し、他の職種の方達と連携しながらチームとして対応していく。しかし、共有すべき情報がそれぞれの職種特有の言語であった場合、それが理解不可能であるか、理解するのに時間を要することになる。
 話をペリオドンタルメディシンの概念に戻すと、そのような状況下で歯周病、または歯周治療に関する「共通言語」がうまく提示されないことが、医科と歯科の連携を活発かつ円滑に進められない理由の1つと考えられる。本稿では、この「共通言語」について、特に医科との連携を念頭に、ペリオドンタルメディシンの観点からの考察を試みる。





« 弱くて強い植物の話 (4) ③ | トップページ | Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ② »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/413185/73091457

この記事へのトラックバック一覧です: Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ①:

« 弱くて強い植物の話 (4) ③ | トップページ | Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ② »