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2018年3月17日 (土)

Science 「メタボ」と「ぺリオ」 ⑥

続き:
3)咀嚼機能をどのように表現するか?
 歯周病の進行に伴う歯の動揺の増加や、それに続く歯の自然脱落は咀嚼機能低下の原因となる。また、歯肉に腫脹や歯肉退縮による象牙質知覚過敏があっても同様で、歯周病の患者は「普通に食べて飲み込むこと」が困難になる。またこの機能の低下は、一部全身疾患に伴い生じることもある。その状況を客観的に情報提供する必要があり、この咀嚼機能の判定方法については、古くから多くの方法が提唱されている。
 昨今、保険適用された株式会社ジーシーの咀嚼能力検査システムは、グルコース含有グミ「グルコラム」を20秒間咀嚼し唾液をため、その唾液の濾過液中のグルコース溶出量を、「グルコース測定装置(グルコセンサー GS-Ⅱ)」を用いて測定し、その値を約6秒で数値化するものである。
 この方法は本来有床義歯治療後の咀嚼機能の客観的評価を目的としたものであるが、歯周病の病態や治療経過を表すものとして情報提供に利用することも可能である。
 患者が歯周病、他の歯科疾患によってどの程度咀嚼機能を失っているのか、さらにその回復状態を「咀嚼能力」として医師側に提供できることは、栄養・食事療法の際にも有用である。
 このように、①口腔内病原微生物(細菌)の優勢度、②口腔内の炎症状態、③咀嚼機能、これらの3つの観点から、歯周病診断において健康(健常)、軽度、中等度、重度等にランク分けをすること、また治療による歯周組織の変化を、例えば改善率や治療の進行度のような形で示せれば、その患者の歯周病の状況が把握できる。
 また、PISAと全身疾患との関連の研究が示すように、現在の歯周病の全身疾患へのリスク度を同時にきちんと提供すれば、医科歯科または多職種との連携がよりスムーズに行えるものと思われる。
多職種連携に於いて整備しておくべき内容
 ●歯周病検査(情報提供として)
   共通言語となり得る3基準
   ①口腔内病原微生物(細菌)の優勢度
     唾液検査・血清抗体価検査
   ②口腔内の炎症状態
     唾液検査・PISA・CAPRS   その他
   ③咀嚼機能
     咀嚼能力検査システム
 ●歯周治療(上記の総合評価した上で、情報提供として)
  <歯周病の病態判定>
   ①歯周病の重篤度
     A.健康・B.軽度・C.中等度・D.重度
   ②歯周病への反応度
     A.良好・B.普通・C.不良
 ●歯周病関連疾患(ペリオドンタルメディシン)―「ぺ・リ・オ」がキーワード。
   糖尿病・血管障害(虚血性心疾患・脳血管疾患)・誤嚥性肺炎・早産・低体重児出産・関節リウマチ・慢性腎臓炎・非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)・アルツハイマー病(ALD)・肥満・ある種の癌・その他。





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