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2018年3月21日 (水)

嚥下内視鏡検査 ( VE ) の役割とピットフォール ①

「内の目外の目」第183回 :著者 兵頭政光(高知大学医学部耳鼻咽喉科教授)さんの研究文を記載:コピー・ペー。
◎嚥下内視鏡検査(VE 検査)の役割
 嚥下障害は脳血管障害、神経・筋疾患、頭頸部の外傷や手術、加齢などを原因とすることが多く、日本人の死因の第3位になった肺炎による死亡者の大部分は、嚥下障害を背景に持つ高齢者である。
 このため、超高齢社会を迎えた今日、嚥下障害は医療的にも社会的にも大問題になっている。嚥下は食物を口腔より取り込み、咽頭、食道を経て胃まで搬送する運動であり、これらの器官の診療に日々携わっている歯科医師や耳鼻咽喉科医師は嚥下障害診療において重要な役割を担っている。
 嚥下障害に適切に対応するためには、先ず、その病態を適切に評価することが必要である。すなわち、嚥下障害の原因、障害の様式と程度等について客観的な所見を基礎にして診断・評価しなければならない。
 嚥下内視鏡検査 (Videoendoscopy : VE 検査) は1980年代に Langmore らにより Flexible endoscopic evaluation of swallowing ( FEES ) として体系づけられた。その後、内視鏡機器の普及も相まって、嚥下障害診療ガイドラインにおいても必須の検査と位置付けられている。
 VE検査は簡便に行え、侵襲も少ないことから繰り返し実施できる。検査機器は持ち運びが可能なものもあり、外来のみならず病室や訪問診療でも実施できる機動性にも優れている。
 本検査では主に嚥下の咽頭期の嚥下運動は咽頭・喉頭でも感覚刺激を基にして、延髄での中枢処理機構を経て、嚥下器官の運動を惹起することで、遂行される。
 従って、嚥下器官の感覚機能と運動機能の両者の評価が必要になる。前者では咽頭・喉頭粘膜を内視鏡検査で刺激した際の咳反射や声門閉鎖反射の惹起性などが指標となる。
 嚥下障害の原因は多岐にわたるが、嚥下障害患者ではその原因が予め分かっているとは限らない。例えば一側性声帯麻痺では嚥下時の誤嚥が主症状の一つになるが、声帯麻痺から甲状腺癌、悪性腫瘍の縦隔リンパ節転移、胸部大動脈瘤などの診断に至る例がある。
 また、筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症などの神経・筋疾患も嚥下障害を初発症状とすることがあり、その診断にも VE検査が参考になる。
 このように、VE 検査では誤嚥の有無をみるばかりでなく、咽頭や喉頭の機能を総合的に評価する必要がある。
 




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