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2018年4月 8日 (日)

弱くて強い植物の話 (5) ②

続き:
 草として最初に劇的に誕生したのが、単子葉植物である。現在でも単子葉植物は、一般に草と呼ばれる草本性の植物である。
 スピード重視の時代に誕生した単子葉植物は、余計なものを捨てて、シンプルな形を選んでいるのである。
 ①子葉が1枚、②形成層が無い、③葉脈が平行脈、④ひげ根という単子葉植物の特徴のすべては、スピードを重視した工夫なのである。
 この単子葉植物の中でも、もっとも進化したグループとされるのが、イネ科植物。イネ科植物は草原のような環境で進化をしたと考えられている。
 草原は、植物にとって草食動物に食べられる脅威にさらされている場所である。
 深い森であれば、草や木が複雑に生い茂り、すべての植物が食べ尽くされるということはならないだろう。草食動物たちは、少ない植物を競い合うように食べあさるのである。
 このような環境で、草原の植物たちは、どのように身を守れば良いのだろうか。
 そこで、イネ科植物は、食べにくくて、固い葉を発達させた。イネ科植物は、葉を食べにくくするために、ケイ素で葉を固くしている。ケイ素はガラスの原料にもなるような固い物質である。
 また、イネ科植物は、葉の繊維質が多く消化しにくくなっている。こうしてイネ科植物は、葉を食べられないようにして身を守っているのである。
 さらにイネ科植物は、他の植物とは大きく異なる特徴がある。普通の植物は、葉の先端に生長点がある。そして、新しい細胞を積み上げながら、上へ上へと伸びていくのである。しかし、この成長では茎の先端を食べられると大切な成長点が食べられてしまうことになる。
 そこで、イネ科植物は成長点をできるだけ低くすることにした。もちろん、イネ科植物も茎の先端に成長点がある。しかし、茎を伸ばさずに株もとに成長点を保ちながら、そこから葉を上へ上へ押し上げる成長方法を選んだのである。これならば、いくら食べられても、葉っぱの先端を食べらるだけで、成長点が傷つくことはない。これは植物の成長方法としては、まったく逆転の発想である。





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