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2018年5月 2日 (水)

弱くて強い植物の話 (6) ②

続き:
 「食べさせて運ばせる」ために、植物が発明したのが果実だ。
 被子植物は、大切な種子を守るために、種子の元となる胚珠のまわりを子房でくるんでいる。ところが、被子植物のうちのいくつかは、この子房を発達させて、わざわざ食べられるための「果実」を用意したのである。
 動物や鳥が植物の果実を食べると、果実と一緒に種子も食べられる。そして、動物や鳥の消化管を種子が通り抜けて糞と一緒に種が排出される頃には、動物や鳥も移動し、種子が見事に移動することが出来るのである。
 そのため、被子植物は、胚珠を守っていたはずの子房を発達させて、果実を作ったのだ。
 植物は動物や鳥にエサを与え、動物や鳥は植物のタネを運ぶ。このように果実によって、動物や鳥と植物とは共生関係を築いたのである。
 果実を食べて、植物の種子を最初に運んだのは、哺乳類だったと言われているが、やがて、植物は鳥をパートナーとして用いるようになる。
 哺乳類は歯が発達しているので、果実だけでなく種子を噛み砕いてしまう恐れがある。これに対して鳥は、歯がないので、種子を丸呑みする。また、消化管が短いので、種子は消化されずに無事に体内を通り抜けることができる。
 さらに、鳥は大空を飛び回るので哺乳動物に比べると移動する距離が大きい。
 その為、植物にとっては、鳥が種子を運んでもらう最良のパートナーだ。
 植物は、効率良く種子を運んでもらうために、あるサインを作り出した。それが果実の色だ。
 果実は、熟すると赤く色づいてくる。これは赤く色づいて果実を目立たせているのである。
 一方、種子が成熟する前に食べられてしまうと困るので、未熟な果実は葉っぱと同じ緑色をして、目立たなくしている。また、苦味を持って食べられないように守っている。
 赤色は「食べて欲しい」、緑色は「食べないで欲しい」、これが植物
と鳥との間で交わされたサイン――― だ。





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