« どうなる!「働き方改革」 ③ | トップページ | どうなる!「働き方改革」 ⑤ »

2018年5月29日 (火)

どうなる!「働き方改革」 ④

続き:
 長時間労働対策と並ぶ「同一労働同一賃金」については、これまでのところ与野党の間で大きな議論になっていない。
 「同一労働同一賃金」の内容は議論する人々によって異なっているが、共通しているのは「同じ労働であれば同じ賃金を支払う」という考え方だ。欧州では広く実現していると理解され、安倍首相も当初は正規雇用と非正規雇用の格差を欧州並みに縮小することを目指すとしていた。
 一般的に正規雇用は、①無期雇用、②フルタイム、③直接雇用―― の3つの条件を満たすと考えられる。 1つでも条件が欠ければ非正規だ。非正規雇用には、有期雇用、パートタイム、派遣労働の3つのタイプがあり、現在、それぞれに労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法が関係している。このため、働き方改革関連法案では3つの法律が同時に改正される事になっている。
 なお、有期雇用の「同一労働同一賃金」に関係する規定はパートタイム労働法に移されることになっている。
 安倍首相は通常国会の施政方針演説で、「長年議論だけが繰り返されてきた『同一労働同一賃金』。いよいよ実現の時が来ました」と力を込めた。ただ、法案に「同一労働同一賃金」という表現は無く、法案で示されている考え方も「同じ労働に同じ賃金を支払う」というものでは無い。
 「同一労働同一賃金」は非正規雇用の待遇を目指すスローガンだと理解できる。
 ま法案に表れているのは、雇用形態が異なっていても、その待遇には「均等」や「均衡」が必要だという考え方だ。全く条件が同じであれば、待遇は同じにしなければいけないが、責任の程度や転勤・異動が有るか無いかといった違いは考慮される。
 同じ仕事をしていても、格差があるだけでは違法にならないわけだ。
 「均等」や「均衡」という考え方は、これまでのパートタイム労働法や労働契約法にある。ただ、今まで、裁判例が少なく、非正規社員の待遇改善に十分な効果を発揮してこなかったのも事実である。
 改正案は、これまでの考え方を精緻にし、行政の権限を明確にしている。また、これまで「均等」・「均衡」の考え方が弱かった派遣労働者について、企業に説明責任を課せる(させる事)のも半歩前進だ。
 今回の議論が従来の議論と違うのは、「同一労働同一賃金」のガイドライン重要性が強調されていることだ。2016/12/20、実現会議でガイドラインの案が示されており、改正法が施行される時点で効力を持つ事になっている。
 ガイドライン案には、正社員と非正社員のどんな待遇差が不合理とされるか、実例とともに考え方が示されている。食事手当や通勤手当などの諸手当については待遇差を認めていないことが多く、格差を是正する効果が期待されている。
 一方、基本給やボーナスについては、明確な書き方(その表現方法)になっていない事だ。
 実際には個別企業の労使の話し合いに委ねられる事になるだろう。
 すでに、ガイドライン案を参考にしながら非正規の労働条件を変える企業も出てきている。





« どうなる!「働き方改革」 ③ | トップページ | どうなる!「働き方改革」 ⑤ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/413185/73579348

この記事へのトラックバック一覧です: どうなる!「働き方改革」 ④:

« どうなる!「働き方改革」 ③ | トップページ | どうなる!「働き方改革」 ⑤ »