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2018年5月17日 (木)

安倍政治の最深部に向かってボーリングせよ! ①

ジャーナリストの神保太郎さんは、述べている。 コピー・ペー :
 国民は、いま”国家犯罪”の前に立たされている。森友学園に対する国有地払下げ疑惑と、その交渉過程の文書管理案件が、この1年、安倍政権の周辺で熾火のように燻り続けてきた。問われているのは、「国有財産法」、「公文書管理法」、「情報公開法」、「内閣法」、「会計検査院法」など、市民社会の法理が歪められた事実。
 安倍晋三首相が、2017/02/17、の衆議院予算委員会で「私や妻が(新設小学校の)認可や売買に関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」と断言して以来、真相を知る者と知らない者がメディアを挟んでにらみ合う日々が続いた。
 2018/03/27、森友文書「改竄」の中心人物と目され「引責辞任」した、前国税庁長官(前財務省管理財局長)佐川宣寿氏への証人喚問がTVで生中継された。決裁文書の「改竄」は、佐川氏自身の意思によるのか、誰かもっと上位からの指示に依るのか、実行者は誰なのか等、質問集中したが、彼は「刑事追訴のおそれがある」と47回も答弁を控えた。昨年(2017)3月1日、2日の国会での国有地払下げ交渉について答弁した時に、元の決裁文書を見たかという質問に対しても答え無かった。しかし、安倍首相、麻生太郎財務大臣、内閣官房などからの不当な「指示」は無かったと明言。結局、何故これほど徹底した公文書改竄が行われたのか、疑問は解けなかった。
 証人喚問を目前にした2018/03/24、安倍首相は自民党大会で「何故こんなことが起こったのか、全容を解明し、二度と起こらないようにすることで責任を果たしたい」とまるで他人ごとのように檄を飛ばした。―― 森友問題の幕引きをしたいという願望がにじんだ。
 ここからは、「ポスト真実」という流行語に惑わされず、「真実」からカッコを取り除く為に、時間軸のあちこち爬行しながら進行する。ことの発端は、3月2日の朝日の大スクープだった。一面トップを「森友文書 書き換えの疑い」の大見出しが躍った。森友事件の柱は2本。その1は、時価9億円を超える国有地がわずか200万円で売り払われた事、その2は、「無い」と言われた決裁文書の交渉経緯にオリジナル版があった事だ。
 そこに「特例」、「特殊性」、政治家の名前等が含まれていると報道された。永田町と霞が関に激震が走ったことは言うまでもない。市民も、交渉過程のリアリティから遠ざけられていたことを知らされた。
 このスクープには”前震”があった。2017/02/09、朝日社会面が土地疑惑の口火を切った。「学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の一割か 理事長は日本会議大阪の役員 名誉校長は安倍首相の妻・昭恵氏」。これ以前、安倍首相夫人昭恵氏は、森友学園経営の塚本幼稚園を訪ね、園児らが「教育勅語」を唱和するのを聞いて感涙し、「安倍首相に伝えます」と答えたという。
 TVで放映された映像から、多くの市民は、安倍首相と籠池理事長が「日本会議」を介して昵懇の中であることを知り、国有地払下げに特段の便宜図られたのではと疑った。「総理大臣も国会議員も辞める」と言い切ったのは、この記事をめぐる国会質疑のなかであった。
 首相答弁のあと、国会で矢面に立ったのは、財務省の佐川理財局長でだった。彼は「森友学園側との間にに事前の価格交渉はなく、関係した人物の名前も売買契約後ただちに廃棄した」と官僚が使う答弁を繰り返した。
 俄には信じられない答弁によって、メディア空間では「知性」と「狡猾さ」が入り乱れ、「きれいは穢い、穢いはきれい」という「二重思考(double thinking)」が日常化した。籠池理事長は、証人喚問の場で、安倍首相夫妻との関係を強調して、神風が吹き始めたなどと語り、事実は小説より奇なりと結び、もう1人の「ポスト真実」の申し子を演じた。
 正にこの時期(2017/02 ~04)に、売買契約に関する決裁文書の「改竄」が密かに行われていたのだ。そして、「改竄」後の文書は昨年(2017)5月に開示され、国会も国民も騙されてしまったのだ。
 2018/03、の朝日のスクープは、「改竄」前の文書が在る事を暴いた。しかし、その情報の出し方は、慎重・その上 老獪だ。朝日紙面に現物のコピー示さず、それを持っているかいないかも明言せず、知られざる事実を「確認」したとのみ記す――― 真否は各個人次第だ。
 表現は「書き換えの疑い」にとどめた。いつもなら、このあたりで安倍首相が「朝日のフェイク・ニュース!」と喚くところだが、なぜか寡黙であった。
 東京では、安倍政権の露骨なメディア介入を知っているTV各社は、スタジオにキャスターの解説とゲストの感想を交えて淡々と伝えた。本来ならNHKが森友特集を制作しなければならないところだが、この1年殆ど何もない。
 そうした中で財務省について「改竄」まえの決裁文書を公開した。朝日の音なしのかまえが功を奏したことになる。中国の『十八史略』の一節を思い浮かべる。「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」――,影に怯えた小心者が馬脚を現すお話。
 それから10日後の2018/03/22、参院財政金融委で磯崎哲史議員(民進党)が財務省の太田充理財局長に「書き換え」と「改竄」の違いを尋ねた。太田局長は、「書き換え」はやや中立的過ぎるとした上で、「改竄」は「多くの不当に改めるばあいに用いられる」と広辞苑を引用して答えた。
 しかし、今後の答弁で「書き換え」のまま行くとも述べた。これは日本的な婉曲表現である。加藤周一(評論家)の「夕陽妄語」(「『続投』という比喩」)は「不正確な比喩表現を続けることによってごまかされるのは、単に現実の一部ではなくて、現実の権力側にとって不利な一部である」と指摘する。曖昧な表現は財務省を利益を齎す。――― だけだ。
 





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