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2018年6月20日 (水)

Clinical 歯科診療における緊急時の対応 ⑥

フェイ
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2) 緊急時における BLS 以外の対応
 患者の状態が急変時に、意識がある、または正常呼吸をしている場合、心停止は除外することができるが、症状、所見およびバイタルサインによっては緊急処置が必要な場合がある。また、救急医療機関に搬送(緊急通報)する必要がある偶発症があるので、疑われる場合は救急医療機関に搬送(緊急通報)する。
(1) 意識がある、又は正常呼吸が有る場合の初動対応
   まず、スタッフを集める。次に体位の調整、生体情報モニタのセット、酸素投与を行うが、この3つについては順番は問わない。できるものから行っていく。
   体位については、血圧低下しているようであれば体を水平位にする必要があるが、さらに下肢を挙上してもいい。しかし、胸部の不快感や呼吸困難などで患者が水平位を好まないようであれば、その患者の楽な体位(姿勢)を維持することが望ましい。
   生体情報モニタと酸素投与の準備ができ次第、患者にセットするが、脈拍および酸素飽和度の確認を優先し、パルスオキシメーターを最初にセットするとよい。正常呼吸をしていると判断しているにもかかわらず、パルスオキシメーターで脈の波形が検出されない場合、呼吸停止または心停止を疑い、目視で正常な呼吸が確認できなければ即座に BLS を開始しなくてはいけない。
   酸素投与は必ずしも必要でないが、多くの偶発症で低酸素血症になっている可能性があるため、現状または予測される低酸素状態を解消する目的での酸素投与は有益である。しかし、患者の心疾患および呼吸器疾患の病態によっては高濃度酸素投与が状態悪化をさせることがあるので、高流量の酸素投与は注意が必要。
   一方、フェイスマスクで投与できる酸素濃度は、純酸素(100%)を高流量(毎分10L)投与しても、気道に取り込まれる酸素濃度はせいぜい40~50%程度であるため、高濃度酸素にはならないことも知っておくべきだ。さらに高濃度酸素投与を避ける必要のある病態は限られていることから、通常の偶発症に対してはフェイスマスクによる酸素投与を躊躇するべきではないと考える。
(2) アナフィラキシーの対応
   これは、緊急度が高く、救急医療機関に搬送するまでに院内で緊急処置(アドレナリンの投与)をする必要がある。アドレナリンは必ず常備すべき救急医薬品である。適応にはアナフィラキシー以外に、心停止、重度の低血圧、重度な喘息がある。
 それぞれ用法・用量が異なり、また、重篤な副作用があるため慎重に投与する必要があるが、アナフィラキシーの場合は投与を躊躇してはいけない。アナフィラキシーに対して成人では0.3mg、小児で0.15mgの筋肉内注射が推奨されている。商品として、アンプルのもの(商品名:ボスミン注:1mg/1mL)、プレフィルドシリンジのもの(シリンジにあらかじめ入っている、商品名:アドレナリン注0.1%シリンジ<テルモ>:1mg/1mL)、プレフィルドシリンジであり、かつ注射針が一体になっていて、そのまま太ももに服の上から注射できるもの(商品名:エピペン注射液:0.15mg または 0.3mg)がある。
(3) 緊急に対応が必要な原因(病態)
   患者の全身状態の急変原因として、全身疾患の急性増悪、薬物等による反応、又はストレスによる反応がある。このうち救急医療機関に搬送(緊急通報)する必要があるのは、心停止、アナフィラキシー、気道閉鎖、脳卒中、心疾患の急性増悪、喘息の重積発作、5分以上の痙攣の持続等であるが、
   薬物等による反応のうち局所麻酔薬中毒の場合、痙攣が発症し、呼吸停止、心停止に至った場合には BLS 処置が必要。原因が不明な場合、意識障害を伴っている場合、バイタルサインの異常がある場合は、救急医療機関に搬送(緊急通報)することが勧められる
   また、バイタルサインに異常が無い場合であっても、全身疾患をゆうしている患者であれば、その主治医に連絡し、指示を仰ぐことも選択肢の一つだ。
   特に、パニック発作などの精神科疾患の発作があった場合等は、精神科の主治医に相談することが適切の対応できる場合がある。




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