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2018年6月28日 (木)

モラルハザード・モラルジレンマと信頼基盤の解体 ⑦

続き:
 安倍首相は<自分が指示したか関与したということはないし、その証拠・証言もない>という趣旨の答弁・発言を繰り返し、その一方で、2017年7月の衆参両院での閉会中審査以降、繰り返し「真摯に」「丁寧に」という言葉を口にし、そして今国会では<真相を明らかにし、膿を出し切る>などと言ってきた。しかし、昨年は「総理のご意向」と周囲の<忖度>が問題になってきたのに対し、今年は文書改竄を筆頭に種々の隠蔽されていた文書や証言が出て来たにもかかわらず、その証拠。証言は(直接的なものではないとして)無視し、真相解明が自分の責務だとして論点のすり替えを行い、しかも、その真相解明も行わず、むしろ阻んできた。
 森友問題でも加計問題でも、問われているのは安倍首相や同夫人の身びいきであり、それが震源・発端だということであるのだ。たとえ自身の直接的な指示が無かったとしても、官邸や財務省と近畿財務局や特区諮問会議と同WG等の関係者が「首相案件」や「総理夫人案件」との認識の下に動いてきた以上、そして、そういう認識と動きが根底にあることを示す証拠が出てきた以上、安倍首相はその責めを負う立場だ。
 その責任には説明責任だけでなく、遂行責任も含まれる。既述したように、森友問題では、昭恵夫人が早くから関与していた事は知っていたはずだし、自身も、一時は教育勅語を暗唱させるような歪んだ森友学園(塚本幼稚園)の教育方針・実践を知りながら称賛したのであるから、どの時点かはともかく、一連の不当な動きを抑止する遂行責任があった。
 加計問題の場合はもっと重大で、特区諮問会議の議長であるから、身びいき案件が「加計隠し」で進んでいる事を早い段階で制止すべきであったが、その遂行責任を果たさなかった。
 それどころか、当初から「加計隠し」で進んでいることを知っていたはずであり、側近の言動も含めて、その進行過程で折に触れて共謀した可能性もある。
 というのも、加計学園は構造改革特区に2007年から毎年申請し続けていたことと、その間に加計孝太郎氏と会食・宴会やゴルフなどを頻繁に重ねており、萩生田官房副長官が同席することもあったことを踏まえると、それらの機会に獣医学部新設の話が出なかったとは考えにくいからだ。
 もう一方で、文書改竄問題や同問題に対する関係各機関(財務省や内閣府及び特区諮問機関等)の不当・不適切な対応に係る責任は、それぞれの長と行政権の長である安倍首相に帰属するのである。
 また、昨年と今年の国会混乱を招いたことについても、安倍首相の責任は重大である。
 安倍首相が自らの直接・間接の責任を認め謝罪し、真相を明らかにすれば混乱・紛糾はその時点で収束したはずだから。
 しかし、安倍首相の責任の取り方としては、それで十分とは言えない。多数の関係者をモラルジレンマ状況に追い込み、文書改竄や自殺まで引き起こし、もう一方で議会制民主主義の危機や三権分立・議院内閣制の歪みをもたらしたのであるから、
 そして、その震源・発端は首相自身にあるから、少なくとも首相辞任は必須であろう。――― 事態はそれほど重大な事なのだ。




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