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2018年6月27日 (水)

モラルハザード・モラルジレンマと信頼基盤の解体 ⑥

続き:
 今までのような、日報問題でもモリカケ問題でも隠蔽・改竄・偽装や虚偽発言が相次いで明るみに出た。前代未聞のことであろう。政治や安倍首相と安倍政権の信頼が揺らぎ低下するのは当然であるが、事態はそれだけにとどまらない。
 それは、議会制民主主義の危機と三権分立・議院内閣制の歪み・機能不全をもたらす点でも重大だ。公文書の改竄・偽装は言うまでもないが、隠蔽はその時々の審議・検討を阻害することになり、虚偽発言は公文書記載内容を歪めることになるからだ。
 公文書は、行政文書・法人文書・歴史公文書等に大別されるが、2009年制定の「公文書等の管理に関する法律」は第1条でその目的を次のように規定。
 「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものである…(略)…国民主権の理念にのっとり…(略)…行政文書等の適正な管理…(略)…及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに…(略)…現在及び将来の国民に説明する責務を全うされるようにすること」
 この規定に照らしても、隠蔽・改竄・偽装や虚偽発言は民主主義の根幹を揺るがすことになる。国民共有の知的資源の利用を制限し、行政が適正かつ効率的に運営されているかどうかを点検・評価する不可欠な情報(知的資源)の劣化を齎し、もう一方で、政治や行政の説明責任の遂行を阻害することになるからである。
 それにしても、なぜ以上のような前代未聞の事態に陥ることになったのだろうか。― 一因は、安倍一強体制下での安倍首相や官邸の驕り高ぶりと横暴により、三権分立・議院内閣制が歪められ、行政府と立法府のバランスが崩れ、内閣主導・国会軽視の傾向が強まってしまったことだ。もう一つの要因は内閣人事局の設置と運用にあるのだ。
 2014年5月に設置された内閣人事局は、「国家公務員の人事管理に関する戦略的中枢機能を担う組織」と位置付けられたが、特に重要なのは幹部職員人事が一元管理され、その実務を担当する官房長官と3人の官房副長官の権限が強いシステムになったことである。
 その制度上の是非はともかく、問題は、このシステムが「安倍一強体制」下で歪み機能不全に陥っていることにある。森友文書の改竄や加計問題における議事要旨偽装と「安倍隠し」「加計隠し」も、前者に係る証人喚問での丸川議員の念押し的質問や佐川理財局長の答弁も、同システムの歪み・機能不全の表れと見ることができよう。
 そして、その結果として、昨年度の国会も今国会も大混乱に陥ることになり、そのうえ、モリカケ問題はどちらも、未だに真相が解明されたとは見なされず、―――― 政治不信・行政不信が拡大している。その責任は誰がとるのか。最後には、ここの処について検討する。



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