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2018年6月25日 (月)

モラルハザード・モラルジレンマと信頼基盤の解体 ④

続き:
 内閣人事局と幹部職員の一元管理システムは、制度的にはある種の合理性があるといえるが、管理統制が強くなると、モラルハザードの危険性が高まる。モラルハザードとは、例えば、成果主義的な人事考課や報酬配分のウェートが高まるとき(管理統制が強まるとき)、その評価基準として重視される側面に注力するようになり(自己保身的に振る舞うようになり)、それ以外の側面への圧力が低下することを言う。
 内閣人事局や幹部職員の一元管理システムの場合で言えば、幹部職員はもちろん一般職員も自己保身的に振る舞うようになれば、官僚機構の本来の目的からの乖離と機能の低下が起こり、国全体や国民の利益が損なわれることになる。
 森友文書の改竄も証人喚問での佐川理財局長の答弁なども、そういうモラルハザード的環境の表れであり、その結果として、公文書管理システムの機能低下・崩壊や国民の知る権利の制限・侵害や民主主義の危機がもたらされることになった。
 
 他方、モラルジレンマは二つの相反する事柄や要請の板挟み、ないしそうした状況に立たされることを言う。モリカケ問題では、財務省をはじめ関係省庁のかなりの職員がモラルジレンマに直面することになった。そして、その極めて不幸な事態が去る3月7日に森友・土地取引の実務を担当していた近畿財務局職員の自殺である。
 前述の決裁文書改竄問題の当事者で、改竄前の決裁文書を作成し、昨年(2017年)2月中旬以降の改竄もすることになったが、改竄前の文書中に「特例」「特殊性」と書いて当該案件の特殊性を強調し、異例の詳述をしていたことが注目されたが、そこに同職員の葛藤と公務員としての誇りと使命感が表出しているようで、哀れである。




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