« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ④ | トップページ | Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ »

2018年7月 9日 (月)

Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑤

続き:
3. tooth wear の治療
 tooth wear により、様々な治療が必要となることも多いが、同時にその原因に対する改善も行う。tooth wear の予防法と共通するが、具体的には、生活習慣の指導と改善、歯磨剤の選択を含めた歯磨き指導、ナイトガードの使用等により対応する。
 特に GERD は潜在的には非常に多くの患者が該当すると思われる。またヘリコバクターピロリ菌の除去療法の普及により、経年的に GERD 患者も増加傾向にあるといわれている。ただし、tooth wear と GERD との関連があると考えられる患者に対しては、歯科的な対応だけでは解決できないことが多いので、消化器内科医との連携やメンタル面の専門家との連携が必要。
 tooth wear が進行して象牙質が露出すると、知覚過敏症や、象牙質の着色、上顎前歯では切縁の透明感増加、そしてこれらに伴う審美性の低下が生じる。さらに進行すると歯質の崩壊が進み、咬合高径の低下を招くこともある。
 こうした臨床的な症状に対しては、―― 知覚過敏症の治療や修復処置を行い、症状の改善、審美性の改善、咬合状態の改善を図る。本格的な修復処置でなくても、tooth wear による局所的な象牙質の露出および陥凹部にコンポジットレジンを薄く塗布して表面を被覆するだけでも、進行抑制やエナメル質の破折予防につながる。
 歯冠修復法としては、歯質保存的なアプローチが推奨されるが、被着体の象牙質とエナメル質は比較的接着性に優れているので、直接法によるコンポジットレジン修復が第一選択と考えられる。NCCL では高頻度で表面に脱灰が生じていることが明らかとなったが、う蝕による脱灰よりははるかに軽度であることから、必ずしも表層を削除する必要無し。
 しかしながら象牙質表面にはプラークが堆積していること多く、その除去と最表層の脱灰部の除去を目的とした、被着象牙質面の一層削除を行うべきである。NCCL に限らず、咬耗、摩耗および酸蝕のいずれの場合にも露出した象牙質表面は多少なりとも脱灰が生じていると考えるべきであり、一層削除して接着操作を行うべきと思われる。
 前歯部の多数歯にわたるtooth wear では、一回の来院で複数歯を修復すべきであるが、近年推奨されるシリコンコアなどを事前に準備しておくと、チェアタイムの短縮や、優れた形態の回復に効果的である。 





« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ④ | トップページ | Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/413185/73828361

この記事へのトラックバック一覧です: Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑤:

« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ④ | トップページ | Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ »