« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ | トップページ | 開発が進むゲノム操作食品 »

2018年7月11日 (水)

遺伝子組み換えとゲノム編集

天笠啓祐(理工学系ジャーナリスト)さんは「ゲノム編集を問う」― 書いている。それを、コピー・ペー:
 新しく登場した科学や技術が、政治・社会に大なる影響を、時には大きな変化を与えるにはよくある。原子力や遺伝子組み換え技術はその代表といえる。ゲノム編集とという、新しく登場した技術も、その可能性は大。
 登場の仕方は、遺伝子組み換え技術の時とよく似ている。― 振り返ってみよう。1970年代前半、遺伝子組み換え実験は繰り返し行われてきた。しかし、1973年にスタンフォード大学のスタンレー・コーエンとカリフォルニア大学のハーバート・ボイヤーが容易に組み換え方法を開発したことで、大きな議論が巻き起こった。
 その議論の火付け役は、スタンフォード大学のポール・バーグだった。実験の一時停止を求める「バーグ声明」が出され、それにより1975年にカリフォルニア州でアシロマ会議が開かれ、遺伝子組み換え実験の自主規制が行われたということは、科学史上の大きなエポックになった。
 ゲノム編集も決して新技術ではない。第1世代のZFN(ジンクフィガー・ヌクレアーゼ)法が開発されたのは1996年だ。第2世代のTALEN (タレン)法が開発されたのは2010年。しかし、それまでは注目されることも、大きな議論を呼ぶこともなかった。
 しかし2012年に第3世代の CRISPR - Cas9 (クリスパー・キャスナイン)が開発され、操作が容易になることで、注目を集めた。そのことを最もよく象徴しているのが、特許権争いだ。
 第1世代、第2世代では起きなかったこの争いが、第3世代では熾烈に展開されたのである。CRISPR - Cas9 は、特定の遺伝子(DNA)への案内役であるガイドRNAと DNA を切断するハサミの役割をもった酵素を組み合わせており、それにより操作が容易になった。
 遺伝子を壊すと何ができるか。例えば成長抑制する遺伝子の働きを壊すと、成長が早まり、筋肉質な家畜や魚づくりが可能になる。
 これはミオスタチン遺伝子という成長を制御する遺伝子を壊し、成長を制御できなくしたのである。遺伝子を壊されコントロールを失った家畜や魚は、成長が早まり筋肉質になる。すでに実験段階とはいえ、成長は早まった筋肉質の牛や豚、トラフグやマダイ等が誕生している。
 生命体は、ホメオスタシスという、調和やバランスの上に成立している。成長を促進する機能があれば、抑制する機能があり、それを支配している遺伝子がある。その一方を意図的に壊すことで、様々な応用が可能になる。
 もともと突然変異で起きるケースもあるが、それを意図的にもたらすことを意味する。
 ゲノム編集の登場と遺伝子組み換えの登場の際との大きな違いは、すでに遺伝子組み換え技術が定着し、iPS 細胞なども登場し、生命操作に対する抵抗感が薄らいだことにあるといってよい。
 しかし、その薄らいだことこそが、危険な状況を生み出すといってよい。原子力も、福島第一原発事故が起きる直前は、いつの間にか原発の安全神話が流布し、人々の関心も薄らいだ時期にあたる。生命操作への関心が薄まった時期だからこそ、
   改めてゲノム編集技術の応用の現状と問題点について考えることが大事だ。





スタンフォ

« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ | トップページ | 開発が進むゲノム操作食品 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/413185/73840303

この記事へのトラックバック一覧です: 遺伝子組み換えとゲノム編集:

« Clinical tooth wear の病態と治療指針 ⑥ | トップページ | 開発が進むゲノム操作食品 »