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2018年7月13日 (金)

遺伝子ドライブ技術への批判が広がる

続き:
 ゲノム編集の応用に遺伝子ドライブ技術がある。この技術は、ゲノム編集の仕組みを遺伝子の形で蚊などの生物に導入して遺伝させ、その種を大幅に減少させたり絶滅させる技術である。
 例えば、マラリアやデング熱を媒介する蚊の減少や絶滅を図るため、雌になる遺伝子を破壊する仕組みを組み込むとする。その遺伝子を受け継いだ蚊は雄だけを作り続けるようになる。その蚊が自然界にいる野生の蚊と交雑すると、雄の子どもしか生まれなくなる。
 この交雑が繰り返されると、たった数百匹を放つだけで、次から次に雄だけができるため、やがて雄しかいなくなり交雑がなくなり、その蚊が大幅に減少させるか、時には絶滅に追い込むことができる。
 害虫やげっ歯類などの駆除にこの技術を用いれば大変有効であるという考え方が広がっている。しかし、この考え方に対して、マサチューセッツ工科大学のケビン・エスベルトは概略次のように述べている。
 「私たちは象牙の塔を脱出して、開かれた場で議論する必要がある。なぜなら、ある所では害虫でも、ほかの場所では大事な益虫であるかもしれないからだ。そのため、さまざまな国、大陸間で、そこに住む人たちと相談して決める必要がある。」
 まだ先のことと思われていた遺伝子ドライブ技術の野外での放出計画が、2018年2月にオーストラリア、米国で進み始めていることが明らかになった。それは西オーストラリア州の6つの島と米国の太平洋の2つの島しょ部で、遺伝子ドライブ技術を用いた動物の放出実験が計画されているのだ。
 この計画は米国国防総省のDARPA(国防高等研究計画局)が資金提供して進めてきたもので、開発されたマウスを用いてげっ歯類駆除しようというのである。同計画は、CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)、アデレード大学、西オーストラリア州環境保護局、米国の関連企業が署名してGBIRdという組織を結成して進めているものである。すでに軍事技術としてこの遺伝子ドライブが注目を集めていることが明らかになったケースだ。





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