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2018年7月24日 (火)

命を作る科学技術の制御という課題 ⑦

続き:
 「『ヒト胚の取り扱いに関する基本的な考え方』見直し等に係るタスク・フォース 報告書(第1次報告)」では、「後の世代にまで及ぶ遺伝的影響」について言及されている。これについては、既に生命倫理専門調査会が2016年4月に公表した「ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について(中間まとめ)」の記載が引かれ、以下のように述べられている。
  「中間のまとめ」では、ゲノム編集技術を用いたヒト受精胚のヒトの胎内はの移植等の
  研究として行なわれる臨床利用に係る検討が行なわれ、その結果として、ゲノム編集
  技術を用いたヒト受精胚では、オフターゲット及びモザイクの発生に伴う危険性がある
  こと、ゲノム編集による標的(ターゲット)とする遺伝子改変が他の遺伝子等へどのよう
  な影響を及ぼすか確認できていないこと、世代を超えて遺伝子改変の影響を及ぼしそ
  れに伴う危険性を払拭できない科学的な実証が十分でないこと等の倫理面、安全面で
  の課題が示された(5p)。
 ここでは、「世代を超えて遺伝子改変の影響を及ぼしそれに伴う危険性」というように、世代を超えて遺伝子改変の問題が安全性に関わる懸念として取り上げられている。その他にも「後の世代にまで及ぶ遺伝的影響」や「世代を超えて」の「遺伝子改変の影響」にふれた記述が何箇所かあるが、いずれも類似の文脈である。
 つまり、世代を超えて危害が及ぶことへの懸念は取り上げているが、ゲノム編集が世代を超えて用いられたり(次世代以降を「良いゲノム」に変えていくこと)、エンハンスメントへと拡大したりする可能性については、少なくとも明示的には取り上げられていない。
 このような取り上げ方では、中国中山大学の研究の「衝撃」は理解できないことになる。生命倫理専門調査会は最重要な問題から目をそらせているのだ。





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