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2018年7月22日 (日)

命を作る科学技術の制御という課題 ⑤

続き:
 2017年12月の「『ヒト胚の取り扱いに関する基本的考え方』見直し等に係るタスク・フォース 報告書(第1次報告)」を見ると、受精卵(ヒト胚)へのゲノム編集の基礎研究が許容されていく方向で審議が進んでいることが分かる。
 報告書では、「生殖補助医療に資する研究(生殖補助医療研究)」と「『難病等遺伝性疾患研究』及び『疾患(がん等)研究』を目的とする基礎研究」に分けて検討を行ない、ます「生殖補助医療研究」にういて許容を前提とした指針の策定や審査体制に向けた作業を進めることを求めている。
 法律による規制が必要だという意見もある。しかし、とりあえずは指針でいくという進め方を示唆する(10~11p)。また、その場合、とりあえずは着床させる可能性がなく「減失」(廃棄すること)が予定されている余剰胚のみを用いるが、研究のために受精卵を新たに作ることも検討するとしている。
 生殖補助医療研究を許容してその体制を整えることにする理由については、①放置しておけば、無規制のうちに受精卵への遺伝子改変が行なわれてしまう可能性があること、②「一方、ゲノム編集技術等をヒト受精胚に適切に用いることによって初期胚段階の遺伝子の働きを理解することが可能となることにより、生殖補助医療等に資する知見が得られる可能性が有る」ことを挙げている(4p)。そして、この報告書では、続いて、「生殖補助医療研究を目的とする指針の策定における留意事項」が詳細に述べられていく(6~10p)。
 また、「『難病等遺伝性疾患研究』及び『疾患(がん等)研究』を目的とする基礎的研究」については、「生命倫理専門調査会を通じて、ヒト受精胚へのゲノム編集技術等を用いる基礎的研究が病因解明等に資すると考えられる疾患の選定及びその有効性に関する見解を学会等から得た上で、『指針』等の制度的枠組みについて、速やかに、本タスク・フォースにおいて検討を行うこととする」と述べている(4~5p)。こちらも近いうちに、許容の方向で指針策定に入りたいという構えである。
     <日本の生命倫理専門調査会の報告書より>





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