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2018年8月 7日 (火)

Clinical がん歯科支持療法 ⑦

続き:
5. がん診療医科歯科連携事業
1) これまでの病診連携に於ける問題点
 「自宅近くの歯科医院で受診したが、がん治療しているため診察できないと言われた」。これは抗がん剤による通院治療を受けている患者さんからよく聞かされた言葉である。国立がん研究センターで行われたがん医科歯科連携に歯科医師の意識に関するアンケート結果がある(略)。
 多くの歯科医師の意見として、担当医師と患者医療情報を共有することの必要性が挙げられている。
 問題点としては、がん患者が診療情報提供書を持たずに歯科診療所を受診し、がん治療の状況が分からないため処置できないことや、一方では、歯科診療所から病院への診療情報提供書の返信率がきわめて低いことがある。
 患者の話にあった、がん患者に対する受信拒否とも受け取れる状況は、単純に歯科診療所の歯科医師だけの問題ではなく、むしろ紹介する病院側や歯科医療界全体の情報共有体制の不備が問題であると考えられた。
 問題点を改善し、がん医科歯科連携体制を作り上げるために平成18年から静岡県立静岡がんセンターと静岡県歯科医師会の間でがん医科歯科連携体制を構築した。
 それを足掛かりに、平成22年から日本歯科医師会と国立がん研究センターの間で、全国でのがん医科歯科連携体制を確立するための準備が始まった。
 平成25年からは厚労省の委託を受けた日本歯科医師会が「がん診療医科歯科連携事業」として全国に展開し、平成29年9月末の時点で、約14000名の連携登録歯科医が名簿に登録されている。
2) 連携体制づくり「がん診療医科歯科連携事業」
 がん診療医科歯科連携は、がん治療を円滑に進めることおよび治療中のがん患者の療養生活の質を維持・向上することを目的とした連携であり、がん歯科支持療法と一体のものである。
 がん診療連携拠点病院内の歯科・口腔外科では、そのほとんどでがん患者の口腔管理が行われるようになったが、日本の全病院数における病院歯科の割合は20%程度。その他の歯科のない病院で、がん支持療法を行うためには、一般歯科診療所との病診連携が必須だが、歯科診療所での周術期等口腔機能管理実施の報告数は少ない。
 また、近年のがん薬物療法や放射線治療は外来通院下に行われることが多くなり、今後もその数はさらに増加していくと推測されている。
 院内歯科のある病院であっても、治療を受けるがん患者すべてに対応するのは物理的に限界があり、病診連携による院外の歯科診療所との協力体制の構築が必要。
 かかりつけの歯科診療所で、がん治療前からの歯科検診やがん治療中の定期的な歯科メインテナンスを受けられることは、身体的・心理的な負担の軽減につながり、がん患者自身にとってもメリットが大きい。




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