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2018年8月21日 (火)

ビットコインの展望 ⑥

続き:
 ③内在する価値がない
  ビットコインには、その本質的価値である「ファンダメンタルズ」が存在しない可能性が高い。例えて言えば、ビットコインを買うのは、家賃収入が得られない「投資用マンション」を買うようなものである。家賃収入という価値の裏付けはないのに、需給ひっ迫予想による高値見通しだけが独り歩きをしているのである。
  ビットコインには、配当や利子が無く、持っていても将来的に何のキャッシュフローも生み出さない。「将来ゼロ」のキャシュフローは、現在価値に変換しても理論的に「ゼロ」となる。
  このため、国際決済銀行(BIS)の報告書(2015)では、「仮想通貨の本源的な価値はゼロである」としているほか、米銀のレポート(2017)でも、「ビットコインに価値を見出すことは難しい」ものと結論付けている。
  仮想通貨には、ビットコイン以外にも約1600種類ものビットコイン類似の「アルトコイン」が誕生している。このため、ビットコインだけをみると将来的に供給が減少していくとしても、「仮想通貨全体としての供給量」は、仮想通貨の数が増えて、またそれぞれのアルトコインが発行量を増やしていくことによって、事実上、無制限に増えていくことが可能な状況になっている。
  このため、コインの需給ひっ迫予想に基づく現在の価格形成がどこまで合理的なものかについては、かなり疑問の余地が残る。
 ④ビットコインは何も生産しない
  米国有数の投資家であり、「オマハの賢人」として名高いウォーレン・パフェット氏も、ビットコインを初めとする仮想通貨には否定的で、「仮想通貨を購入することは『投資』とは言えない」としている。その理由として、彼は「ビットコインやその他の仮想通貨を買ったとしてもそれらは何も生産しないからだ」としている。
  例えば投資家が株式や投資用のマンションに対して、資金を投入したものとする。こうして調達された資金は、企業の生産活動やマンションの建設などに使われ、「何かを生産するための資金」になる。
  そして、そうした生産活動の結果として、投資家には、やがて配当や賃貸収入というかたちでリターンがもたらされることになる。このため、これらは「健全な投資」と言えるのだ。
  ところが、ビットコインには株式等のような裏付けとなるビジネスや営業活動がない。このため単に「値上がり期待」によって価格が左右されることになる。―― ビットコイン投資は「後から買うひとがより高い値段を払うことを期待しているだけ」(彼氏)なのである。
  「資産価値のうち、経済の実態から離れて上昇した部分」というのは、一般に「バブル」と呼ぶ、異常な投機熱が冷めた時点で、「本来あるべき価格」へと戻っていくことになる。こうしたあるべき水準はその回帰には時間を要するケースが多く、日本の地価の場合には、1990年代初めのクラッシュから約15年にもわたって価格が下落を続けた。
  現在のビットコイン相場は、2017年12月にバブルがはじけたあと、こうしたあるべき水準への回帰するための「時間を要する過程」にあるのだろう。
  





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