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2018年8月18日 (土)

ビットコインの展望 ③

続き:
(2) 「価値の尺度」としてのビットコイン
 「価値の尺度」は、例えば、Tシャツが2000円、タクシー代が3000円、アイスクリームが200円などといったように、異なったモノやサービスを共通の尺度で表す機能である。
 残念ながら、この点についても、ビットコインの利用はかなり限定的である。これは、ボラティリティの大きさが影響している。ビットコインの価値が刻々と変動していくため、ビットコインで価格を表示するためには、店舗側では、一日のうちに頻繁に価格表示を変える必要がある。
 これは、レストランでメニューの価格を改定するコストとして、経済学では「メニュー・コスト」と呼ばれる概念である。頻繁な価格改定をすることは、高いメニュー・コストを伴うことになる。一方、逆にビットコイン建ての価格を一定にしておけば、販売価格が実勢に比べて割高や割安になってしまうリスクが発生することになる。
 マスコミでは、家電量販店、メガネ専門店、カフェ、美容室など、ビットコインで支払いができる店舗が増えてきていることが報じられており、一見するとビットコインによる価格設定や支払いが普及してきているように見える。
 しかし、これらの店舗においては、価格変動制の大きさから、実際には価格表示は3000円や10000円などの法定通貨建てで行っておき、支払い時点の換算レートでビットコイン建ての値段に変換して支払いが行っているケースが多いのが実情だ。
 つまり、ビットコインが、価格の尺度として実質的に機能しているとは言い難い状況である。
 なお、こうしたビットコインが使えることを「売り」にしている店舗では、実際の受払いのためというよりは、むしろ「ビットコインで決済できる」という先進的なイメージを打ち出すためのマーケティング戦略として採用しているケースが多い。
 上の述べた交換手段としての限界から、こうした店舗でも実際にビットコインによる決済がどんどん増えているという訳ではないという点には注意が必要である。





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