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2018年9月 3日 (月)

厚労委員会で法案はどのように進行するのか ②

続き:
◎ 委員会審議の意義
 衆参には各府省の所管に対応した常任委員会が設置されており、各委員会には与野党各党(会派)から選ばれた数人の理事が置かれている。委員会の運営は基本的に理事間の協議によって進められているが、各会派の主張がどうしても折り合わない場合には委員長裁定を行うこともある。
 委員会審議の時間の多くは、法案審議、とりわけ政府に対する質疑に割かれている。たとえ法案が原案どおり可決される場合であっても、条文をどのように解釈するか、運用の詳細を決定付ける政省令をどのように規定する予定か等、会議録に残る形で政府答弁を引き出すことには大きな意味がある。
 また、質疑を通じて疑問点を表明し世論に訴えることで、その後の政策形成に影響を与えることもある。こうした機能が発揮されるよう、常任委員会の委員長には、委員会の場において活発な議論が行われる環境を整える役割と責務がある。
 他方、委員会では法案審議だけでなく、所管分野の課題について主に政府に対して質疑する国政調査も行われている。
 例えば、先日実現した厚労省の歯科口腔保健推進室を省令室に昇格させることは法律事項ではないが、同室の位置付けについてはこれまで国政調査などを通じてたびたび取り上げられ、厚労省の考えが確認されてきた。
 こうした機会を活用して政府の考えを質し、政策を方向付けていくことも委員会の重要な機能の一つである。
 委員会においては、与野党それぞれの委員が様々な角度から質疑を行い、議論を積み重ねる努力を続けている。とりわけ厚労委員会は、国民の生活に密着した案件を扱うだけに各党の主張がぶっつかり合い、熱い議論が繰り広げられることも多い。
 一方で、常に与党が政府寄りで野党が政府に批判的というわけでもなく、議論を通じて党派を超えた共通認識が生まれることもしばしばあるのが興味深いところだ。
 こうした雰囲気が垣間見える審議中継や会議録には衆参両院の IT 審議中継のページからアクセスできるので、皆様にもご覧いただければ幸いです。






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