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2018年9月17日 (月)

「軍事機密費」 ③―②

続き:
 沖縄で日本軍の組織的抗戦が途絶えた5日後に、機密費を一気に分配したことを示している。この3組織だけで総額は2億5940万円に上る。
 さらに「議会答弁資料」は「戦局の推移を見越して7月中にすべての配分を終えた」と説明している。本来は4半期ごとに 1/4 ずつ渡すのだが、戦局が差し迫ってきたので7月中に残り3期分の全額を配ったというのである。
 「11月末現在の残金は2200万円」ともあり、この残金は「南方軍司令部や憲兵司令部などから返納されたものである」との注釈がついている。
 この年の機密費総額は正確には3億8874万円であった。今日なら2000億円にも相当する。敗戦の1ヵ月前迄にその全額を配ったのだが、使いきれずに戻ってきたのはごく一部だったのである。
 1945年度の臨時軍事費特別会計全体の予算総額は850億円であったが、8月で戦争が終わったので実際の支出は436億円で消化率はほぼ半分であった。陸軍の支出額も前年度実績の4割のレベルにとどまっている。
 年度が半分に満たないうちに敗戦を迎えたために使いきれなかったのだ。
 ところが機密費の消化率は94%に達している。
 敗戦の混乱の中で、軍の物資が盛んに横流しされたことが語られてきたが、使途を報告する必要のない現金は組織的に配分されていた。戦争も末期、「本土決戦装備の飛躍的強化」に使ったなどはとうてい考えられない。何とも巨額であるのだ。→山分けしていたと見るしかないだろう。
 「議会答弁資料」にはもう一つ興味深い説明があった。
 「陸軍省等の職員に退職賞与以外を支給した事実はないのか」との質問を想定した答弁案である。
 陸軍には「特別保管金」があり、それを「終戦解散に際し、多年の勤労に報いるため判任官以下、ならびに一部の気の毒な事情のある武官、高等官に特別に退職手当を支給しました」として、人数と金額を以下のように示している。
 陸軍省   人数   金額
  将校    若干   66万4000円
 高等文官  98         33万6000円
  判任官     636        114万 4900 円
  雇傭人    1146        135万 5400 円
  計                         350万   300 円
 参謀本部
   将校   若干        12 万 1000 円
  高等文官   90          31 万  5000 円
   判任官   576         144 万円
       雇傭人   930          93 万円
   計                       280 万  6000 円





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