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2018年10月27日 (土)

文明と歴史、 そして病気(6)―③

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 ザワークラウトは生鮮野菜が枯渇する冬期に北ヨーロッパで頻発する壊血病への予防効果が経験的に知られていた。ドイツ料理の付け合せの定番だが、酸っぱくて筆者(小長谷)の口には合わない。
 果たして、エンデバーの水兵たちもこんな変なものを食えるのかと拒絶した。クックは士官の食事にだけザワークラウトを付けさせると、今度は水兵もそれを欲しがりはじめ、ついには階級に関係なく食べるようになった。
 エンデバーはタヒチを出帆した後、ニュージーランドやオーストラリアを発見し、約3年の航海を終えて本国に帰還したが、壊血病による死者は一人もいなかった。
 帰国の翌年1772年にはクックは2度目の探検航海に出た。今度は2隻の船隊で彼はレゾリューションに座乗して指揮し、前回と同様のレシピを112名の乗組員に課し、3年後に帰国時までに壊血病の死者は出なかった。僚船のアドベンチャーでは81名の乗組員中20名が重症の壊血病となったが、クックが食事療法を命令してから、壊血病は激減した。
 今日の知識からすると、壊血病はビタミンCの不足で起こる。レモンやオレンジなどの柑橘類、あるいはキャベツとザワークラウトなどにはビタミンC、正式にはアスコルビン酸が大量に含まれている。
 アスコルビン酸 (ascorbic acid) とは、壊血病 (scurvy) を防ぐという意味だ。抗酸化作用や結合組織を緊密化する作用がある。




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