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2018年10月28日 (日)

文明と歴史、 そして病気(6)―④

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 そして1795年、リンドが逝った翌年(1796年)に、イギリス海軍は乗組員に毎日レモン果汁を支給するように定めた。もちろん、効果はあり、歴史の流れも変えた。
 1789年のフランス革命後、イギリスは15年間に亘ってフランスと戦争状態にあった。壊血病を克服したイギリス艦隊は長期間に亘ってヨーロッパ中の港の沖の洋弋して通商破壊を行い、フランスと新大陸や植民地との海上交易を麻痺させて闘いぬいた。
 提督たちはレモンの有難さを身にしみており、艦隊司令官のネルソンもアメリカ独立戦争に従軍中に壊血病で死にかけたこともある。彼は、1798年のナイルの戦いでフランス艦隊に大打撃を与え、ナポレオンのエジプトからの撤退を導き、レモンの産地であるシチリア島を守り抜いた。
 この間、フランス海軍は相変わらず出航しては壊血病に悩まされ続け、ナポレオンは徐々に凋落していった。イギリス海軍の壊血病克服の努力と、リンドの感染症防疫体制とが相まって実った結果である。
 そして、長期間の安全な航海は、近代における海洋を通してのグローバリゼーションへと繋がっていった。




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