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2018年10月22日 (月)

Clinical 院内感染対策 ④

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3) 感染防止の観点からみた医療用の器具・器材
 できるだけディスポーザブル製品を使用するべきである。しかし現実的には多くの器具・器材は再利用が可能である。そこで、再利用の可能な器具・器材は、適切な「洗浄」、「消毒」、「滅菌」の工程を経ることで、はじめて感染防止が可能となる。
 1968年にスポルディングは、医療機器などの消毒や滅菌方法の判断基準を、それぞれに関わる感染リスクの程度により、クリティカル、セミクリティカルおよびノンクリティカルの3つのカテゴリーに分類している。
 例として、手術に使うメス刃は無菌的である必要がある。ところが聴診器は如何か。このように同じ医療機器であっても、求められる清潔の度合いは異なる。
 現在使用されている歯科医療器具・器材、その他関連の分類分け内容を示す。
(1) 再生可能器具の「洗浄」について
 再生可能器具の処理工程で、最も重要なのは「洗浄」である。これは、対象物に付着している有機物や汚れを除去することで、具体的には、蛋白質を分解する洗浄液に浸漬し、汚染を除去。
 表面の平滑でない器具(バーやファイルなど)には超音波洗浄の併用が有効な場合もある。しかし、バキュームなどの管状構造物等は、作業者の手による洗浄が必要な場合もある。
 洗浄液の調整は各種製品によって異なるが、濃度、温度、湿漬時間を遵守して行う。病院などの大規模な施設で利用されている器材を熱水処理するヴォッシャーディスインフェクター(WD)がある。
 洗浄~高水準消毒の工程を自動で行うもので、大量の器具・器材の対応に優れた装置である。
(2) 滅菌器関連について
 多くの歯科診療室での滅菌は、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)が使用されている。滅菌は物質中のすべての微生物を殺滅または除去することであり、単なる名称ではなく、絶対的な無菌の概念だ。
 ただし、正確には、具体的に滅菌が正しく行われているかどうかの検証を併せて行わなければならない。
 そこで、滅菌物の使用前には滅菌処理が確実に行われたかの確認が必要。
 具体的には、滅菌バッグに印刷されたインジケーターの変色を確認。滅菌方法に応じたインジケーターもある。
 例として、ACは高圧蒸気滅菌、EOはエチレンオキサイドガスに反応して変色する。さらに、滅菌期限の確認も重要であり、一般的な安全保障期間は、滅菌バッグで1~3か月とされている。
 その他の滅菌装置として、歯科用のハンドピース専用に開発されたものも存在する。この滅菌装置は洗浄、注油、滅菌行程を自動処理することができる。
(3) 消毒室環境について
 洗浄から滅菌まで、これらの工程は、汚染された器具と、処理済みの器具が交差しない動線で行われることが理想となる。すなわち工程がワンウエイ(一方通行)で行われ、器具は清潔な領域からパスボックスで供給されるのが望ましい。
 病院など、大規模施設で採用されているが、奥の消毒室の清潔域の扉から滅菌済みパックが保管され、手前が診療室から取り出せるシステムである。




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