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2018年10月31日 (水)

Clinical 口腔診療に重要な関連知識 ①

丹沢秀樹(千葉大学大学院医学研究院口腔科学講座教授)さんの研究文を載せる。コピーペー:

 口腔外科治療時だけでなく、一般歯科治療時に知っておくと良い「ちょっとした」関連領域の知識や注意点を解剖に沿ってわかり易く解説することを目的として、本稿を執筆した。顔面・頸部を鼻腔、上顎洞、口蓋、舌神経、咽頭(誤嚥)、甲状腺と、上部から下方へ順に解剖的に分類して注意点を解説した。

1. 鼻腔

 鼻腔は上顎の犬歯間に存在し、梨状孔・鼻腔底と上顎洞の口腔内から見た存在位置の目安は左右の上顎犬歯である。すなわち、左右の上顎犬歯は鼻腔と上顎洞のほぼ境に存在する。

 鼻腔底は両外側に存在する上顎洞の底部よりも高位に存在し、通常は前歯の根尖と鼻腔底の間には距離がある。鼻翼周囲、特に梨状孔外側に疼痛を訴える症例に遭遇することがあるが、耳鼻科的には異常がないと診断されて歯科を紹介される場合が多い。

 この場合、前歯根尖、特に上顎左右の犬歯の根尖との位置関係や根尖病巣の存在などが歯科的には問題となる。直接的な関連が無い場合には、純粋な歯科治療は効果がなく、「疼痛治療」をすることとなる。

 口腔外科的手術後や療養型病棟・在宅医療などの症例では、経鼻経管栄養チューブが用いられる場合がある。この場合、注意しなければならない最大のポイントはもちろん、チューブの先端が胃・空腸など、各製品(チューブ)の設定に合わせた十分な深さに固定されているかどうかという点である。

 もし中途半端な位置にチューブの先端が留まっていると、逆流を生じて誤嚥性肺炎ばかりでなく、窒息の原因さえなりうる。

 しかし、忘れがちなのは、鼻腔には上顎洞の自然孔をはじめとして、前頭洞、蝶形骨洞、篩骨洞など副鼻腔の開口部、ならびに鼻涙管や耳管の開口部が存在することである。

 このため、チューブの刺激により開口部の炎症を生ずることがあり、さらには長期留置などによる感染・炎症で開口部の通過障害が起き、副鼻腔炎や中耳炎などを誘発している場合がまれではない。

このため、眼症状、鼻症状、耳症状ばかりでなく、頭痛や眼窩に至る範囲の腫脹、疼痛、発赤などの炎症兆候や、違和感、あるいは耳痛や難聴などに気をつけなければならない。重ねて注意を喚起するが、「これは単に周術期の患者だけではなく、長期療養者においても見られるものであり、これから在宅や施設において、地域包括ケアに従事する歯科医師が遭遇するケースが多くなるものと考えられる。




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