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2018年10月20日 (土)

Clinical 院内感染対策 ②

続き:
1. 初診料・再診料に係る院内感染対策に規定する施設基準
 平成30年度診療報酬改定の4月実施に伴い、「告示」、「通知」が示され、その要件を満たすか否かの内容により初再診料の見直しがなされた。
 「告示」としては、歯科外来診療における院内感染防止対策につき別に厚労大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関とされている。
                     ↓
   歯科点数表の初診料の注 1に係る施設基準に係る届出書添付書類
 またその記載内容としては滅菌器の内容(医療機器届出番号、製品名、製造販売業者名、滅菌器の使用回数)、1日の平均患者数、歯科用ハンドピース、歯科用ユニット数の保有数などが挙げられる。
 以下に施設基準の具体的「通知」の内容を示す。
(1) 口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底する等十分な院内感染防止対策を講じていること。
(2) 感染症患者に対する歯科診療に対応する体制を確保していること。
(3) 歯科外来診療の院内感染防止対策に係る研修を4年に1回以上、定期的に受講している常勤の歯科医師が1名以上配置されていること。
(4) 当該医療機関の見やすい場所に、当該医療機関で取り組んでいる院内感染防止対策等、歯科診療に係る医療安全対策を実施している旨の院内掲示を行っていること。
(5) 年に1回、院内感染防止対策の実施状況について、様式 2の7により地方厚生(支)局長に報告していること。
 以上の条件を満たし、平成30年10月1日から新たな基本診療料の算定を行うこととなった。
2. 院内感染対策の基本事項
 日本歯科医学会監修「エビデンスに基づく一般歯科診療における院内感染対策実施マニュアル改訂版」を説明する。
 院内感染とは、「病院や診療所などの医療機関内で、もともとの疾患とは別に、新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染すること」をいい、これには、患者が感染する場合のみでなく、医療従事者が感染する場合も含む。
 院内感染で注意すべき病原体としては、血液・体液を介して感染するウイルス、複数の抗菌薬に耐性をもつ多剤耐性菌および集団感染を引き起こす細菌やウイルスなどがある。院内感染を防止するためには、医療従事者およびスタッフひとり一人が正しい知識をもち、標準予防策を基本とした対応を、全員が確実に行う事が重要。
 歯科診療に伴って生じる感染では、消毒、滅菌処理が不十分な機器・器具の使用や、医療従事者の手指衛生の不十分が原因として考えられる。また、切削時の血液・唾液の飛沫や、汚染されたグローブでの環境への接触は、感染源を拡大する可能性がある。
 診療室での流行性疾患の蔓延では、流行性ウイルス感染症に罹患した患者から歯科医療従事者、あるいは患者間、さらに歯科医療従事者から患者への感染の可能性がある。          ↓
               (例として)
   ※ 治療前後にグローブをしたままカルテ記載やパソコン操作したり、ドアノブ
     に触れていないか。せっかく手指衛生に努めても、これら環境に付着した
     病原体に気付かず、再度触れた場合は伝播を引き起こす可能性がある
 その基本となるのが「標準予防策」である。
◆標準予防策 (スタンダードプレコーション)
 米国疾病対策センター (CDC : Center for Disease Control and Prevention) が1985年に、血液で汚染される可能性がある場合は、グローブ、ガウンを着用し、直接手で触れないという考え方の普遍的予防策(ユニバーサルプレコーション)を提示した。1987年には血液だけでなく喀痰、尿、便などの湿性生体物質も感染性があるとみなす生体物質隔離の考え方を経て、1996年に血液、体液、排泄物などすべての湿性生体物質に感染性があり、すべての患者に普遍的に適用するという標準予防策が提唱され、院内感染対策の基本的な方法となった。
 現在、具体的な予防策としては、手指消毒、グローブ、ゴーグルなどの個人防護具の使用、環境清掃、消毒、リキャップの回避、危険物の耐貫通容器への破棄などが挙げられる。




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