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2018年10月21日 (日)

Clinical 院内感染対策 ③

続き:
3. 歯科診療室での感染対策
1) ユニット関連の表面への対応
 具体的な内容として、まず歯科診療室での環境の整備について考える。
 歯科診療では口腔内で注水下での高速回転切削器具が頻用され、その際には唾液を含んだ飛沫が生じる。唾液自体には血液が混入していると考えるのが妥当であり、診療後にはユニット周辺に機器に飛沫があったとしての対応が必要となる。
 また、医療従事者は診療中にユニット周辺の機器に手を触れる可能性があり、このような部分は患者ごとに交換する。また、保護カバー・覆いカバーは患者ごとに交換する、あるいは患者ごとに消毒するといった対応も必要となる。
 ※―1 医療従事者が診療中に接触する可能性 が高い部分を事前に滅菌したアルミホイルでハンドル部分を覆い清潔域としての確保。
 ※―2 各種スイッチなどやカバーの困難な部分への消毒については、飛沫等で汚染された可能性のある環境表面は、中水準消毒薬で消毒すること。→具体的には次亜塩素酸ナトリウムor 消毒用アルコールを使う。作業者はグローブを使い、使った後のペーパータオルは感染性廃棄物としての処理。
2) チェアサイトの術者と患者対応
(1) 手指の消毒について
  医療従事者が手指を消毒することは、感染制御上、最も重要な「感染経路の遮断」の根幹を成す。いわゆる「手洗い」の目的は、手指の汚染の洗浄と、手指上の微生物の一時的な減少である。微生物は時間とともに再増殖するなどの理由から、頻回な消毒が求められる。
 手指消毒には2つの方法がある。流水下での手洗いである「スクラブ法」と、擦式消毒薬を使用した「ラビング法」である。それぞれの長所を知ったうえでの使用が有効となる。
 また、手指消毒のタイミングは、患者と接触する前、患者と接触した後、グローブを外した後となる。グローブを手指汚染することなく外すことは、比較的困難である。またグローブにはリーク、つまり穴あき(ピンホール)の可能性があることから、この際には、洗浄効果のあるスクラブ法での手指消毒が奨められる。
 ※―3 a : スクラブ法は洗浄効果があるが、消毒効果を得るには30~60秒と比較的長時間の手洗いが必要。
 ※―3 b : ラビング法は、シンクなどの設備のない場所でも実施可能な優れた方法だが、洗浄効果は無い。
(2) グローブについての知識
  グローブの種類を使用目的から大分けする。手術用滅菌グローブ・検査用の医療用のイグザミネーネーショングローブの2種類がある。材質的にはビニール、ゴムである。ゴムには、ラテックス(天然ゴム)とニトリル(人工ゴム)がある。
 また、現在使われているパウダー付きグローブに就いては、アレルギーの誘発、肉芽腫・術後癒着の形成リスクを高める等の趣旨より、平成28年12月27日に厚労省より今後パウダーフリーに移行するよう通達があった。
 グローブのリークや破損等はゴム、ビニールともにあるため、グローブを外したあとには、必ず手指消毒を行う必要がある。外科手術の際には、手袋を二重にセットする必要あり。→これは血液感染症に対する保護機能を高め、手袋のピンホールを防ぎ、血液が浸透するリスクを大幅に低減するためであるのだ。




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