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2018年10月15日 (月)

資本がメディアを先導する ①

倉橋耕平(社会学者)さんの続きの文:コピーペー :
2016年、『オックスフォード英語辞典』が、「世界の今年の言葉」を「ポスト真実 post-truth」とした。イギリスのEU離脱(Brexit)やアメリカ大統領選挙を背景とした決定。アメリカのFacebookにおけるフェイクニュースの記事の本数は、最終的にマスメディアの報道よりよりも上回ったという。
 同時に大きな話題となったのは、大統領選においてトランプ支持のフェイクニュースを掲載した200以上のサイトが、マケドニアの小さな街ヴェレスで作られていたと判明したこと。制作者の若者たちにトランプへの政治的支持はなかった。むしろここには、英語圏という巨大広告市場、物価差による相対的に高価な広告収入、ニュースサイトを作るキットの流通といった経済的な背景や動機が大きく関わっているのである。
 現在 IT. における広告は、一方でビジネス、他方でプロパガンダやパブリック・リレーションズとして用いられている。ワールド・ワイド・ウェブ(www) 規格の生みの親ティム・バーナーズ=リーは、こうした IT. と広告現状について、英ガーディアン紙のウェブインタビューで、次のように警鐘を鳴らす(2017/03/12)。
  政治的オンライン広告は急速に洗練された業界になっています。ほとんどの人がわず
  かなプラッタフォームから情報を得ている事実と、豊かな個人情報を利用したアルゴリ
  ズムの高度化に伴い、政治的キャンペーンが、現在、ユーザーを直接対象とした個別
  の広告を構築していることを意味します。ひとつの情報源によれば、2016年の米国選挙
  では、Facebook上で毎日5万種類の広告が配信されていました。(中略)ターゲティング
  された広告では、キャンペーンが異なるグループに、完全に異なる、場合によっては矛
  盾することを言うことができます。それは民主的ですか?
 引用によって指摘されたことの実例がすでに報告されている。大統領選挙期間中に特にアクティブだったFacebookページの一つに、ブラック(黒人)とアクティビズム(社会運動)という言葉をかけ合わせた「Blacktivism」というサイトがあった。
 このサイトはページ訪問者が50万人を超える人気ページとなったが、アメリカ社会の分断を狙うロシア関連企業が制作したプロパガンダ広告と言われている。保守的な傾向を持つユーザーのFacebookには、アフリカ系米国人の活動家たちとイスラム教徒を結び付ける内容の広告が掲載されていた。
 一方アフリカ系米国人ユーザーには警察の暴力的言動や白人至上主義団体を非難する広告が掲載され、黒人たちの怒りを呼び起こすリンクが貼られている。
 いま、IT. 上では、フェイクニュースやヘイトスピーチを蔓延させることがビジネスとして成立している。そして、それで金を儲けようとする者がいる。日本も例外ではない。2017/09/20、クラウドワークスという会社が、「政治系の記事作成。保守系の思想を持っている方限定」で、反日・嫌韓ブログなどの記事を書くライターを募集した(1800~4000文字で800円)。 Twitter で批判を浴びて掲載中止に追い込まれたが、私(倉橋)が確認した中には反フェミニズムの記事の執筆者募集もあった。
          こうした状況をどう捉えるか?          続く。





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