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2018年10月 1日 (月)

Science ~漢方薬の EBM の表と裏~ ①

王 宝禮(大阪歯科大学医学教育開発室教授)さんの研究文を、コピー・ペー :
1. 漢方薬の選択方法
 漢方薬は病名漢方療法、方証相対、弁証論治で選択される。
① 病名漢方療法:西洋医学の病名 (効能又は効果)
② 方証相対(日本漢方):証と適用処方が即応している
③ 弁証論治(中国医学):弁証に基づいて治療方針が決定される
1970年代から漢方薬が保険導入され、現在148種類が医療用漢方製剤として認可されている。漢方薬の保険導入時から、漢方薬は「証」で選択されていくことに対して、医師は認識していた。
 しかし、証が複雑なことや当時は漢方医学の卒前、卒後教育が充実していなかったことから、シンプルに「虚」と「実」という証とその漢方薬の適応いわゆる「効能又は効果」から、投薬の指針とし、選択基準が現在に至っている傾向がある。―― 虚証、実証とは(後で)
 臨床の現場では、「病名漢方療法」を用いて漢方薬を選択する。つまり、漢方薬は患者の症状から病名を決定し「効能又は効果」と「虚」と「実」の証から処方される。具体的には、感冒で実証では「葛根湯」、インフルエンザで実証では「麻黄湯」、感冒が虚証なら「補中益気湯」が選択されていく。
 しかし、漢方薬は薬が効きやすい人と効きにくい人がいる。これには「証」が関係している。「証」とは患者がもつ病状を漢方医学によって総合的に捉えた診断である。病名漢方療法では、的確な漢方治療するうえで限界があることは否めない。
 つまり、漢方薬を選択する方法は、本来「証」の概念が必要だからである。証とは東洋医学の概念を通し、四診(視覚によって情報を得る「望診」、聴覚と嗅覚を使って情報を収集する「聞診」、病状を聞く「問診」、手で患者の身体に触れて情報を収集する「切診」)で得られた体質あるいは症状に関する情報を基に、総合的に診断された現時点での患者の病態である。
 現在に至っても、証の定義は複雑である。証を判定することは弁証という。
 日本近代医学中興の祖である吉益東洞(1702~73)の医論に依れば、証は患者の呈する毒の証であり、腹部や体表表出される初見を一括して「証」と認識されている。この概念が日本漢方の原点といわれている。
 日本漢方では、「方証相対」という概念で証と適用処方が即応している。例えば、発熱悪寒、頭項強痛、脈浮が揃えば葛根湯の解表剤の証というように、治療薬に直結している。
 一方、中国医学と漢方医学の弁証法には違いがある。中国医学の発想では「弁証論冶」という概念で、気血水弁証、八綱弁証、臓腑弁証、六経弁証、経絡弁証などから漢方薬が選択されていく。
   <虚証、実証とはヒトの病態>→東洋医学的診断法である。
◍ 実証タイプ
  ・血行が良い ・声が大きい ・筋肉質 ・疲れにくい ・食欲旺盛
◍虚証タイプ
  ・顔色が悪い ・声が小さい ・やせ形 or 水太り ・肌がカサカサ ・疲れやすい
  ・寒がりで低血圧
(例えば):元気がある子どもは基本的に「実証」と考えられ、高齢者は「虚証」が多くなる。なお、現代人はストレスが多いので、虚証タイプが多いと考えられる。




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