« Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ④ | トップページ | Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ⑥ »

2018年11月19日 (月)

Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ⑤

続き:
9) 局所麻酔薬アレルギーについて
 現在、日本で市販されている表面麻酔薬製剤の多くはエステル型の局所麻酔薬である。エステル型はアミド型に比べ、アレルギーを発症する可能性が高い。エステル型麻酔薬の分解産物であるパラアミノ安息香酸(PABA)がメチルパラベンと化学構造が類似しているため、高い抗原性を示しⅣ型アレルギー反応(接触性皮膚炎)を起こしやすいと考えられている。
 メチルパラベンは化粧品などに防腐剤として広く用いられているもので、エステル型の表面麻酔薬を使用する前には、患者に化粧品などでかぶれた既往症がないかを確認する必要がある。
 アミド型局所麻酔薬によるアレルギーの発症頻度は、これまで極めて低いと考えられていたが、アミド型局所麻酔薬によるⅣ型アレルギー発症の報告が増加傾向にある。
 これは一般用医薬品(OTC:Over-the-counter drug)に高頻度に局所麻酔薬が配合されるようになったことが原因と考えられている。近年では特にリドカイン塩酸塩含有の医薬品(かゆみ止め、鼻炎スプレー、痔薬など)が増加しており、それに伴ってリドカインに対する接触皮膚炎が増加している。
 リドカイン塩酸塩はエステル型局所麻酔薬やメチルパラベンよりも抵抗性は低いとされているが、日頃からのリドカイン塩酸塩の感作頻度の増加により、今後は歯科用局所麻酔注射薬として頻用されているリドカイン製剤に対してアレルギー反応を示す患者が増加する可能性が高いことが予想される。
 また、リドカイン塩酸塩に対するⅠ型アレルギー発症(アナフィラキシーショックを含む)の報告も少なからず存在することから、局所麻酔薬製剤に対して過敏が疑われる患者に対しては注意が必要であり、術前の十分な問診とアレルギー発症に備えた準備を常にしておくべきである。
 局所麻酔使用時に患者に異常が認められた場合には、原因がアレルギー反応によるものか、それ以外の偶発症によるものかを正しく鑑別し、迅速に適切な対応がとれるように日頃から院内スタッフと医療安全に取り組むことが重要である。




« Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ④ | トップページ | Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ⑥ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ⑤:

« Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ④ | トップページ | Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ⑥ »