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2018年11月15日 (木)

Clinical ~局所麻酔のコツとポイント~ ①

松浦信幸(東京歯科大学麻酔学准教授)さんの”安全で効果的な歯科局所麻酔法の実践テクニックについて概説を”――する。コピー・ペー:
   <はじめに>
 局所麻酔は、治療中の痛みを取るための方法であるにもかかわらず、手技には痛みを伴うというジレンマがある。また、局所麻酔の効果が不十分な場合、患者に痛い思いをさせるばかりでなく、不安・緊張も増大させ、さらには全身的偶発症を引き起こす可能性も高くなる。
 日常の臨床において、局所麻酔は必要不可欠な手技で、その成否は円滑な歯科治療と治療の質をも決定する。十分に奏功した局所麻酔下での歯科治療は患者にとって質の高い治療を患者に提供することが可能になる。そこで、ここでは、上下顎骨の解剖学的特徴、局所麻酔薬の基本、また最近増加傾向にある局所麻酔薬アレルギーについて述べるとともに、安全で効果的な局所麻酔法のための実践テクニックについて概説する。
 1. 上下顎骨の解剖学的特徴
 局所麻酔を確実に奏功させ、十分な麻酔効果を得るためには、顎骨の解剖学的特徴を理解する必要がある。ここでは、上下顎骨の構造の違いについて解説する。
 上顎骨、下顎骨とも顎骨に歯が稙立しており、咬合力を負担するための基本的形態と構造に違いはないが、上顎骨は頭蓋を形成している多くの骨(前頭骨、頬骨、篩骨、蝶形骨など)と接しており、歯から伝わる応力を頭蓋全体で受け止めることができるため、厚い皮質骨や太い骨梁は存在しない。
 一方、下顎骨は他の骨と接しておらず、単独で咬合力を受け止める必要があるため皮質骨は厚く、内部は歯から伝わる応力を歯槽から皮質骨にまで伝えるための太い骨梁が存在する。
 上顎骨は前歯部、臼歯部とも唇・頬側、口蓋側の皮質骨は薄く、根尖孔部との距離も近いため、根尖相当部歯肉への浸潤麻酔のみで十分な麻酔効果を得ることが可能である。
 しかし、下顎骨は前歯部に比べ臼歯部ほど皮質骨は緻密で厚く、その厚さは3~4mmもあり、根尖孔部までの距離も遠いため、局所麻酔薬が極めて浸透しにくい。そのため、十分な麻酔効果を得ることは難しく、治療に難渋することも少なくない。




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