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2018年11月13日 (火)

海洋プラスチック汚染とは? ⑥

続き:
 1-5 分析と最終的な行方
 プラスチックは地球上のあらゆる海洋生態系に入り込んでいる。いったん海洋に入ると、プラスチックはそこから数千kmも移動する可能性がある。世界には「亜熱帯還流」と呼ばれている大きな海流のループが5つあるが、海洋を漂流するプラごみは、これらの海流の大きなループに入ると、渦に巻かれながら次第にループの内側へと運ばれていく。
 そうして、おびただしい量のプラごみがたまり続ける場所が出来る。
 5つのループの中でも最大のものが、太平洋の米国カリフォルニアの沖合にある「巨大な太平洋ごみ海域」(Great Pacific Garbage Patch)で、日本では「太平洋ごみベルト」と紹介されることがあるが、「ベルト」よりも「渦」のイメージが近いように私(枝廣)は、思う。
 この海域は160万k㎡の面積にわたってプラごみに覆われている。日本が4つ、すっぽりいるほどの面積だ。
 ここのプラごみの量をモデル計算した研究によると、以前の推計値の4倍~16倍に当たる7万9000トンであるという。
 また、地中海とベンガル湾、南シナ海、メキシコ湾といった場所でも、亜熱帯還流と同レベルのプラスチック濃度が見いだされている。北極でさえ、その海水にマイクロプラスチックが存在していることが判明している。
 海洋プラスチック汚染を数量化する取り組みのほとんどは、海面に浮いているプラスチックを対象としている。しかし、マリアナ海溝のような人間が知る最も深い部分も含め、海のあらゆる深さにプラスチック汚染が存在している。その種類や形状、密度の大きさにかかわらず、海洋に流入したプラスチックのうち、最終的に海底に到達するものは70%にもなるという研究結果もある。
 海底や沿岸部の堆積物と一体化した相当量の合成繊維も発見されている。しかしながら、深海に堆積しているプラスチックの総量はまだわかっていない。
 そして、2018年2月にFrontiers in Marine Sciens 誌に発表された論文で、マイクロプラスチックは大西洋の600mまでの深さにいる深海魚の体内にも蓄積していることが明らかにされた。
 アイルランド国立大学の研究グループが北大西洋の深海魚233尾を調べたところ、全体の73%からマイクロプラスチックが見つかったのだ。たとえば、体長 4.5cm の魚の胃の内容物から13個のマイクロプラスチックが見つかった。そのほとんどが青や黒の線維で、50μほどの微小なものもあったという。





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