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2018年12月18日 (火)

Clinical 歯科医師のがん対応能力の向上 ③

続き:
2. これからの口腔がん検診
1) 我が国における検診の現状
 日本では、ある一定の年齢に達すると、市町村が主体となって胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頚がん、乳がんの集団検診が実施される。2016年に実施された「国民生活基礎調査」によると、日本のがん検診受診率は、男性が40~50%、女性が30~40%程度となっている。
 2006年にがん対策基本法が制定され、がん検診は国策として重要視され広く実施されている状況を考えれば決して高数値ではない。とりわけ我が国では子宮頚がん、乳がんの検診受診率が低いことが問題になっている。
 がん検診の国際比較を見ても、経済協力開発機構(OECD) 加盟国30か国の中で最低レベル位置だと言われ、欧米の検診受診率が大体60%以上であるのに対し、日本は約40%であり受診率が低いことが指摘される。
 以上を踏まえると、我が国ではがんの啓発が遅れており、今後口腔がん検診を含め、がん検診のますますの推進が望まれる。
 (がん検診の国際比較女性の子宮頚がん、乳がんのグラフ-略)。
2) 世界における口腔がん早期発見への取り組み
 がん検診は大きく、対策型検診と任意型検診に分けられる。対策型検診は集団検診として実施、市町村が健康増進法に基づく一定の年齢に達した全市民を対象とした予防対策として行なわれるもので、日本では5大がん検診がこれに当たる。
 一方任意検診は、個人が自分の死亡リスクを下げるために受診するもので、個別検診とも呼ばれる人間ドックがその代表だ。
 世界におけるがん検診の実施状況を考えると、イギリスや北欧では、乳がん検診・子宮頚がん検診は国策として対策型検診として行なわれているが、アメリカを含む多くの国では任意型検診が主体。
 また口腔がんについては、世界的に見ても任意型検診が主体であり、生存率の低いがんであるという共通の問題点を抱えているため、各国ともに死亡率の低下を目指し国民への啓発活動、歯科医院への受診を広く喚起している。
 アメリカ歯科医師会(ADA)では、歯科医師が細胞診を併用した診断制度の向上を目指しており、2003年から国民に広くキャンペーン活動でを展開している。現在ではその対象は、男性から女性へ、高齢者から若年者へ、喫煙者から非喫煙者へと拡大を図っている。
 アメリカでは、歯科医師が口腔がんをスクリーニングするための診断ツールとして細胞診を推奨している。一般歯科診療所で悪性病変を簡便にスクリーニングするために、細胞診は現時点で最も優れたツールであると考えられている。




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